対米貿易黒字77.6%減、703億円に縮小 輸入55%増、原油は11倍超

2026年09月16日 12:27

貿易イメージ

2026年8月の対米貿易は、輸出が前年同月比24.9%増の1兆7244億円、輸入が55.2%増の1兆6541億円となり、貿易黒字は77.6%減の703億円に縮小した(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

財務省が9月16日に発表した2026年8月の貿易統計速報によると、日本の対米貿易黒字は前年同月比77.6%減の703億円となりました。黒字額の前年同月比での減少は9カ月連続です。米国向け輸出は前年同月比24.9%増の1兆7244億円と6カ月連続で増加したものの、米国からの輸入が55.2%増の1兆6541億円と大幅に伸びて輸出額に接近したことが背景にあります。輸入では原粗油が前年同月の11倍超(1026.6%増)となるなど、原粗油や電算機類、LNGの輸入増が押し上げました。

本文
 財務省が発表した8月分の貿易統計速報によると、日本の対米貿易では、輸出と輸入がともに大幅に増加する一方、貿易黒字が前年同月から大きく縮小しました。8月の対米貿易黒字は前年同月比77.6%減の703億円にとどまり、前年同月比での減少は9カ月連続となりました。

■対米黒字、1年前の3147億円から703億円へ縮小

 対米貿易収支の推移を辿ると、黒字幅の減少傾向が確認できます。2025年8月に3147億円だった対米黒字は、同年11月には7379億円まで拡大しました。

 しかし、2026年に入っても、対米黒字は前年同月の水準を下回る状態が続きました。実額では3月の7237億円から、4月6877億円、5月3532億円、6月3397億円、7月2799億円と縮小し、8月には703億円となりました。8月の黒字額は、前年同月と比較して約2443億円減少したことになります。

■輸出は24.9%増、自動車や半導体製造装置が牽引

 今回の黒字縮小は、米国向け輸出の不振によってもたらされたものではありません。8月の対米輸出額は前年同月比24.9%増の1兆7244億円となり、6カ月連続で増加しました。比較可能な1979年1月以降、8月として過去最大(全月比較では過去27位)の輸出額を記録しています。

 主な増加品目では、自動車が前年同月比28.0%増(寄与度+6.2)、半導体等製造装置が112.5%増(寄与度+1.9)、建設用・鉱山用機械が49.9%増(寄与度+1.6)と強い伸びを示しました。少なくとも統計上、輸出の落ち込みが黒字縮小の要因ではないことが示されています。

■対米輸入が55.2%増、伸び率は3カ月連続で50%超

 一方、米国からの輸入は輸出を上回る伸びとなりました。8月の対米輸入額は前年同月比55.2%増の1兆6541億円となり、13カ月連続で増加しました。輸出額と同様に、8月として過去最大(全月比較では過去2位)を更新しています。

 対米輸入の伸び率は、2026年3月の18.1%増、4月の24.3%増、5月の26.1%増から、6月に52.6%増へ加速し、7月58.0%増、8月55.2%増と、直近3カ月連続で50%を超える高い伸びが続いています。

■米国産原粗油の輸入が1026.6%増(11倍超)

 8月の対米輸入を品目別にみると、原粗油の伸びが極めて顕著でした。米国からの原粗油の輸入額は前年同月比1026.6%増となり、前年同月の11倍を超える規模へ拡大しました。対米輸入全体の伸び率(55.2%)に対する寄与度をみても、原粗油だけで34.2ポイントを占めています。

 このほか、電算機類(周辺機器含む)が前年同月比327.6%増(寄与度+8.2)、液化天然ガス(LNG)が206.5%増(寄与度+6.9)となり、原粗油、電算機類、LNGの輸入増が対米輸入全体を押し上げました。

■日本全体では4カ月連続の赤字

 日本全体の貿易収支をみると、8月は1兆1056億円の赤字(4カ月連続)となりました。地域別の収支では、対米黒字(703億円)や対アジア黒字(3302億円)を確保したものの、対中国で5516億円の赤字(65カ月連続)、対EUで2306億円の赤字(4カ月連続)となっています。

 なお、8月の税関長公示レート平均は1ドル=160円64銭で、前年同月(147円73銭)比で8.7%の円安水準でした。輸出入額はいずれも円建てで集計されており、前年同月との金額比較では為替水準が異なる点にも留意が必要です。

 8月の日米貿易は、米国向け輸出が前年同月比24.9%増えた一方、米国からの輸入は55.2%増と、輸出を上回る伸び率となりました。その結果、対米貿易黒字は前年同月の3147億円から703億円へ縮小しました。輸入増では原粗油、電算機類、LNGの伸びが大きく、原粗油だけで対米輸入全体の伸び率を34.2ポイント押し上げました。対米貿易黒字は前年同月比で9カ月連続の減少となっており、今後も輸出と輸入の金額差がどのように推移するかが確認点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)