キャディ、177億円調達で企業価値1820億円 製造業AIを米国展開

2026年09月16日 13:22

今回のニュースのポイント

製造業向けAIサービスを手がけるキャディは9月15日、新規および既存の投資家8社を引受先とする総額177億円のシリーズDラウンドの契約を締結したと発表しました。今回の調達により、累計エクイティ調達額は363億1000万円となり、同社が示す企業価値(バリュエーション)は1820億円となりました。同時に、2026年8月に国内で発表した次世代版「製造業AIデータプラットフォームCADDi」の米国での提供を開始しました。調達した資金はAI技術や製品開発に加え、北米を中心とする海外事業体制の拡充に充てられます。

本文
 製造業向けAIサービスを手がけるキャディは2026年9月15日、新規・既存投資家8社を引受先とする総額177億円のシリーズDラウンドの資金調達契約を締結したと発表しました。今回の資金調達に伴い、同社の累計エクイティ調達額は363億1000万円となり、同社が示す企業価値(バリュエーション)は1820億円となりました。

 今回のシリーズDラウンドに参加した投資家のうち、新規投資家はMoore Strategic Ventures、Coreline Ventures、リクルートホールディングス傘下のCVCであるHR Tech Fund、Woven Capital、Salesforce Venturesの5社です。また既存投資家としてはAtomico、グロービス・キャピタル・パートナーズ、ゆうちょアセットマネジメント系のファンドが参加しました。資金調達における各数値については、今回の調達額が177億円、過去からの累計エクイティ調達額が363.1億円、会社側が示す企業価値(バリュエーション)は1820億円で、上場企業の時価総額とは異なる指標です。

 キャディが提供する事業は、製造業の設計、調達、生産などの現場に蓄積されたデータの活用基盤整備です。製造業においては、図面や仕様書、過去の案件情報などのデータが部門や拠点ごとに分散して保存され、データの形式や構造が異なる課題が存在します。同社はこれらの情報を関連付け、AIを実務で利用するための共通基盤として「製造業AIデータプラットフォームCADDi」を開発・運営しています。2026年8月にはその次世代版を国内向けに発表しており、製造業特有のデータを解析する仕組みから実際の業務で利用するアプリケーションまでを一体的に提供する構成としています。

 同社は今回の資金調達発表に合わせ、2023年からプロダクトを展開してきた米国市場において、次世代版「製造業AIデータプラットフォームCADDi」の提供を開始しました。調達した177億円の主な投資領域として同社は、(1)独自AI・テクノロジーの開発、(2)CADDiの拡張、(3)北米を中心としたグローバル事業体制の拡充、(4)採用・育成など人材投資の4点を挙げています。同社は、製造業向けAI基盤の開発と北米を中心とする事業体制の拡充を並行して進める方針です。

 キャディは、製造業で扱われるデータは意味や相互関係、制約条件が複雑であるため、汎用的なAIモデルのみでは業務適用が難しいとし、製造業の業務プロセスに特化した「バーティカルAI」としての基盤構築が必要であると説明しています。今回の調達資金は、こうした製造業向けAIデータ基盤の開発・拡張にも充てられる計画です。

 キャディは今回調達した資金を、独自AI・テクノロジー開発、CADDiの拡張、北米を中心とするグローバル事業体制の拡充、人材投資の4領域に充当します。2023年からプロダクトを展開してきた米国では、次世代版CADDiの提供も開始し、製造業向けAIデータ基盤の海外展開を進めていきます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)