欧州EVトラック、3台に1台がボッシュ製モーター・インバーター 大型商用車売上高の倍増目指す

2026年09月16日 19:04

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ボッシュの電動パワートレイン関連部品。2026年に欧州で新車登録されるバッテリーEVトラックの3台に1台に、同社製モーターとインバーターが搭載される見通し(画像提供:ボッシュ)

今回のニュースのポイント

独ボッシュは、大型商用車向けテクノロジー事業の売上高を2030年代半ばまでに倍増させる目標を発表しました。成長の柱の一つとなるのが電動化であり、2026年に欧州で新車登録されるバッテリーEVトラックの3台に1台に同社製モーターとインバーターが搭載される見通しです。一方で同社は、2035年までに世界で新車登録される大型トラックの約半数が「電動または燃料電池」になると予測しつつも、地域や用途に応じて水素、代替燃料、ディーゼルなど複数のパワートレインを並行して展開する方針を示しています。

本文
 ドイツの自動車部品大手ボッシュは、ハノーバーで開催された「IAA TRANSPORTATION 2026」において、大型商用車(重量6トン以上)向けテクノロジー事業の売上高を2030年代半ばまでに倍増させることを目指すと発表しました。現在の大型商用車向けテクノロジーの売上高は40億ユーロを超えており、同社は2035年までに倍増する可能性があると見込んでいます。世界的な輸送需要の増加や環境規制の強化、深刻化するドライバー不足に対応する技術を供給することで成長の加速を狙います。

 ボッシュの予測によると、世界の大型トラック生産台数は2026年に前年比約1%増の約330万台に達し、2030年代半ばには400万台規模へ拡大する見込みです。同社はこの市場成長と関連技術の浸透を背景に、大型商用車事業の拡大を図ります。

 成長を牽引する分野の一つが電動パワートレインです。ボッシュは、2026年に欧州で新車登録されるバッテリー電気自動車(EV)トラックの3分の1(3台に1台)に、同社製のモーターとインバーターが搭載される見通しであることを明らかにしました。長年のパートナーであるダイムラー・トラックからも、EVトラック「eActros」向けの電動パワートレイン部品に関する大型新規受注を獲得しています(受注金額や供給数量は非公表)。

 一方でボッシュは、大型商用車市場がすべてバッテリーEVに統一されるとは想定していません。同社の予測では、世界で新車登録される大型トラックにおける「電動または燃料電池」を搭載した車両の割合は、2030年に約4分の1、2035年に約半数へと拡大する見通しです。一方、ボッシュは地域や用途によって変革のペースが異なるとみており、バッテリー、水素、代替燃料、ディーゼルなど複数の技術を展開する方針です。

 乗用車と同様に商用車でも電動化のスピードは地域によって異なります。中国ではeモビリティが急速に普及する一方、北米市場では従来型ディーゼルや、一部ハイブリッド化されたディーゼルが依然として主流になるとボッシュはみています。また、大型車による長距離輸送やグローバル市場では、水素や代替燃料を補完的に活用していくとの見方を示しています。こうした背景から同社は、バッテリーEV向けシステムに加え、燃料電池パワーモジュール、水素内燃機関向け部品、ユーロ7などの最新排ガス規制に対応するディーゼル燃料噴射システム、さらには再生可能合成燃料への対応を並行して推進する多角的なアプローチをとっています。

 さらにボッシュは、パワートレインだけでなく車載ソフトウェアや自動運転領域の強化も進めています。同社と子会社のイータス(ETAS)は、車載機能を集約する集中型E/Eアーキテクチャや車載コンピューター、関連ソフトウェアプラットフォームの開発を通じてトラックのソフトウェア化に対応しています。また、2027年にはAI技術を活用した多目的カメラやレーダーセンサーの新世代モデルを発表する予定です。ドライバー不足への対応策の一つとして、ボッシュはレベル4の自動運転を目標に掲げています。また、ソフトウェアやセンサーなどの技術を通じ、フリート運用者の総所有コスト低減にも取り組む方針です。

 欧州でEVトラック向け電動部品の搭載拡大を見込む一方、大型商用車領域では地域特性や用途に応じた複数パワートレインの併存が予想されています。今後は、2030年代に向けた予測通りに電動車や燃料電池車の普及が進むかとともに、各地域でどのエネルギー源や技術が主流となるかが注視されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)