8月訪日客9.6%減の310万人 中国59%減、韓国・台湾など14市場は8月最高

2026年09月16日 16:24

画・訪日客、1~10月で約2400万人、既に昨年の年間合計を超える勢い

訪日旅行者のイメージ。2026年8月の訪日外客数は前年同月比9.6%減の309万8,900人となった一方、韓国や台湾など14市場では8月として過去最高を記録した(資料写真)

今回のニュースのポイント

独立行政法人日本政府観光局(JNTO)が9月16日に発表した2026年8月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比9.6%減の309万8,900人となりました。前年同月(342万8,406人)から約32万9,500人減少しており、前年同月比の減少率は今年1〜8月の中で最大となりました。全体の減少の中で特に大きな変化となったのが中国市場で、前年同月比59.0%減の41万8,000人と60万747人(約60万1,000人)減少しました。一方で、韓国が28.7%増の85万500人、台湾が7.3%増の66万6,000人となるなど、計14市場が8月として過去最高を記録。全体数の減少と主要市場ごとの明暗が同時に現れる展開となっています。

本文
 日本政府観光局(JNTO)は2026年9月16日、8月の訪日外客数(推計値)が309万8,900人となり、前年同月比で9.6%減少したと発表しました。前月7月(344万2,100人、前年同月比0.1%増)は前年並みを維持していたものの、8月は再び前年実績を下回る結果となりました。2026年の月別前年比推移(1月4.9%減、2月6.4%増、3月3.5%増、4月5.5%減、5月3.6%減、6月6.8%減、7月0.1%増、8月9.6%減)をみても、8月の9.6%減は今年最大の減少率となります。なお、統計上の「訪日外客数」は法務省の出入国管理統計に基づいて算定されており、観光客だけでなく駐在員やその家族、留学生などの再入国者・長期滞在者も含まれます。

 全体の減少の中で、特に大きな変化となったのが中国市場です。8月の中国からの訪日外客数は前年同月の101万8,747人から59.0%減少し、41万8,000人にとどまりました。前年比で60万747人(約60万1,000人)減少した計算になります。JNTOの説明によると、中国市場においては中国政府から日本への渡航を避けるよう注意喚起が出されたことや、航空便の減便などが影響したとしています。学校の夏季休暇(スクールホリデー)に伴う旅行需要は存在したものの、複合的な要因から前年同月を大幅に下回りました。

 一方で、韓国や台湾など複数の市場では前年同月を上回りました。韓国からの訪日外客数は前年同月比28.7%増の85万500人に達し、前年(66万917人)から約18万9,600人増加して8月として過去最高を記録しました。JNTOは、台風による航空便への影響があったものの、継続的な訪日旅行人気やスクールホリデー、航空座席数の増加などが押し上げ要因になったと分析しています。また、台湾が同7.3%増の66万6,000人、香港が同9.4%増の24万7,300人となり、それぞれ8月として過去最高を更新しました。

 JNTOによると、韓国、台湾、香港、マレーシア、インドネシア、インド、米国、メキシコ、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、北欧地域、中東地域の計14市場において、8月としての過去最高を更新しました。なかでもイタリア(4万7,300人、15.1%増)とスペイン(3万6,500人、14.1%増)の2市場は、8月としてだけでなく単月(全月)としても過去最高を記録しています。また、伸び率ではメキシコが37.0%増、中東地域が24.8%増、マレーシアが23.0%増と大幅なプラスを示しました。一方で、タイ(9.3%減)やフィリピン(11.6%減)、豪州(7.4%減)など前年を下回った市場もあり、動向にはばらつきがみられます。

 2026年1〜8月の累計訪日外客数は2,762万6,300人となり、前年同期(2,838万4,099人)に比べて2.7%減少しています。累計でも中国が前年同期比56.7%減の290万4,600人と半減以上となっているのに対し、韓国が同21.2%増の742万300人、台湾が同19.8%増の540万2,000人、米国が同6.1%増の230万5,300人と伸びており、国・地域による需要差が全体結果に反映されています。

 なお、同日発表された8月の出国日本人数(推計値)は、前年同月比3.6%減の158万8,600人でした。ただし、1〜8月の累計では972万4,500人となり、前年同期比2.8%増とプラスを維持しています。

 中国市場の急縮小が全体数を引き下げる一方で、東アジアの他地域や欧米・中東・東南アジアなど多くの市場で8月最高を更新しており、市場によって明暗が分かれる構造となっています。今後は総数の動向だけでなく、国・地域ごとの訪日外客数や航空便の動向を確認していく必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)