スーツケースを持つ旅行者。外国人旅行者向け消費税免税制度は2026年11月1日からリファンド方式へ移行し、店頭では税込価格で購入した後、購入日から90日以内の出国時に税関確認を受け、消費税相当額の返金を受ける仕組みとなる(資料写真)
今回のニュースのポイント
経済産業省は9月17日、外国人旅行者向け消費税免税制度が11月1日から「リファンド方式」へ移行するのに先立ち、免税店向けの準備ガイドを公表しました。新制度では、旅行者は店頭でいったん税込価格を支払い、購入日から90日以内に出国する際、税関で商品の国外持ち出し確認を受けた後に消費税相当額の返金を受けます。店舗側には購入記録情報の電子送信や返金体制の準備が求められる一方、従来の消耗品の特殊梱包や区分判定作業などが不要となり、一部実務の簡略化も図られます。
本文
経済産業省は2026年9月17日、同年11月1日からスタートする外国人旅行者向け消費税免税制度の新運用「リファンド方式」への円滑な移行に向け、事業者向けの指針となる「リファンド方式移行の準備ガイド」を作成し、公表しました。
今回の制度変更により、外国人旅行者等による免税購入のフローは根本から変わります。従来の「店頭で購入時に消費税分をあらかじめ差し引く」方式から、11月1日以降は「店頭でいったん税込価格で決済し、購入日から90日以内の出国時に税関確認を受けた後、消費税相当額の返金を受ける」方式へ移行します。単に店頭で購入した時点で完了するのではなく、対象物品を国外に持ち出すことについて税関の確認を受け、免税店側が税関確認情報などを保存することで免税が成立する仕組みへ転換されます。
旅行者側が返金を受けるためには、複数のステップが必要となります。ガイドによると、購入日から90日以内に出国することに加え、空港等で手荷物を航空会社へ預ける前に税関の確認を受ける必要があります。その際、税関職員の求めに応じて購入商品を提示しなければならず、税関確認を受けない場合は消費税相当額が返金されません。返金手段(クレジットカード等)の事前登録も必須となり、登録方法やタイミングは利用する事業者により異なります。なお、所定の空港および一定の条件を満たす場合は、「Visit Japan Web」への事前登録を通じたオンラインでの税関確認も可能とされています。
一方、免税店側でも店舗運用の対応が必要となります。リファンド方式でも、販売の都度、購入記録情報を国税庁のシステムへ電子的に送信する必要があります。経産省の準備ガイドは、電子的な記録・送信が必須であり、紙による販売記録は認められないとして、システム改修やテストなどの確認を求めています。税抜単価100万円以上の高額商品を販売する場合は、購入記録情報にシリアル番号などの詳細情報を追加入力することも求められます。さらに、自社で返金まで行うのか、承認送受信事業者や外部の返金事業者へ委託するのかなど、返金フローやシステム接続、手数料体系を事前に決定・整備する必要があります。なお、免税店自身で購入記録情報の送信および返金を行う場合は、返金方法等に応じて資金決済法、犯罪収益移転防止法、外為法等への対応が必要となる場合があります。
ただし、今回の変更は店舗側の管理負担増にとどまりません。新制度の開始に伴い、従来の免税実務で店舗負担となっていた「一般物品と消耗品を分けて登録する作業」をはじめ、「消耗品の特殊梱包」「消耗品購入上限額(50万円)の判定」「事業用かどうかの判断」がすべて不要となります。ただし、ガイドでは出国時に持参できる数量に限るとしています。
11月1日の制度開始を前に、全国の免税店や流通事業者には、返金フローやシステム送信体制の構築、店頭スタッフへの周知など、新たな販売・返金手続きに向けた準備が求められます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













