地域未来戦略に関する関係副大臣等会議で発言する高市首相。地方の産業集積支援について、複数年度の事業規模や予算額を具体化した『地域未来戦略実現フレーム』を年末までに策定するよう指示した(画像は首相官邸ホームページより)
今回のニュースのポイント
政府は8月28日、第6回「地域未来戦略に関する関係副大臣等会議」を開き、地域の産業クラスター形成を支援する「地域未来戦略予算パッケージ」などの報告を受けました。高市首相は、自治体や関係事業者が国による複数年度の支援を見通せるよう、事業規模や予算額を複数年度で具体化した「地域未来戦略実現フレーム」を年末までに策定するよう指示しました。すでに検討が進められている既存予算とは別枠の「地域未来特別枠」の活用も含め、複数年度の予算措置や地方財政措置、各省庁による「地域未来分」の確保などを年末までに一体的に具体化する方針です。
本文
政府は28日、首相官邸で「地域未来戦略に関する関係副大臣等会議」を開き、地方への企業投資や産業集積を後押しする支援体制の具体化に着手しました。自治体が策定した計画を国が横断的に支援する「地域未来戦略予算パッケージ」の報告を受け、高市首相は国の支援の予見可能性を高めるため、事業規模や予算額を複数年度で具体化した「地域未来戦略実現フレーム」を年末までに策定するよう指示しました。
政府が進める「地域未来戦略」は、地域ごとの強みを生かして民間企業の投資を呼び込み、産業クラスター(集積)を形成する施策です。政府は、民間事業者や自治体が安心して取り組みを進めるためには、政府予算の「予見可能性」を高める必要があるとしてきました。
これに対し高市首相は、自治体や事業者が複数年度にわたる国の支援を見通せるよう、具体的な支援策の全体像を示す「実現フレーム」の年内取りまとめを関係省庁に求めました。
首相が実現フレームに盛り込むよう求めたのは主に4項目です。①複数年度の予算措置を担保する方法、②自治体負担に配慮した地方財政措置、③必要なインフラ整備を優先的・計画的に進める仕組みと既存予算とは別枠の「地域未来特別枠」での追加的な予算措置、④企業向け投資支援や人材育成策における「地域未来分」の確保――です。
政府は7月の同会議において、既存予算とは別枠の「地域未来特別枠」を設けて予算措置を推進する方針をすでに表明しています。今回の指示は、この特別枠による追加的なインフラ整備支援を含め、制度設計や予算規模を複数年度のフレームとして年末までに具体化させる段階へ進めた形です。なお、特別枠の具体的な金額や対象事業の範囲などの詳細な設計は、今後の検討作業に委ねられています。
また、支援の対象はインフラなどのハード面にとどまりません。中小企業庁をはじめとする企業向け投資支援策や、文部科学省などが所管する人材育成策についても、地域未来戦略に資する事業を優先的に配分する「地域未来分」を確保する方向性が示されました。企業投資、インフラ整備、資金支援、人材育成を一体的に組み合わせ、地域への集積効果を高める狙いがあります。
会議では、地域が作成する計画の「三類型」に基づく報告も行われました。大規模な企業投資を起点とする「戦略産業クラスター計画」では、九州地域における「次世代造船」の計画が新たに報告されました。このほか、都道府県や基礎自治体が地域資源を活用・発展させる「地域産業クラスター計画」や「地場産業成長プラン」についても、官民投資規模や産業集積度などの要件を満たしたものとして確認されました。
政府は今後も自治体からの計画を随時受け付けて公表するとともに、それらの内容を年末の「地域未来戦略実現フレーム」の検討に反映させていく方針です。今回の動きは、単に新たな予算枠を検討するだけでなく、地方の産業集積を支える国の支援制度について、複数年度で予見可能性を高めるための具体化を進める段階に入ったことを示しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













