今回のニュースのポイント
帝国データバンクが9月28日に発表した「日本企業の『中国進出』動向調査(2026年)」によると、中国本土に進出する日本企業は2026年6月時点で1万118社となりました。前回2024年調査の1万3034社から2916社(22.4%)減少し、過去最多だった2012年(1万4394社)から29.7%減となって調査開始以来で最少を記録しました。新規参入が1221社にとどまった一方、撤退や倒産・廃業などによる対象除外を含めた「撤退・業況不明」は4137社となりました。また、中国進出企業を対象に最も重視する国を尋ねた意識調査では、最重要の「生産拠点」として中国を挙げる割合が43.7%を維持する一方、「販売拠点」として最重要視する割合は31.3%まで低下しており、進出社数の減少とともに中国市場の位置づけにも変化がみられます。
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帝国データバンクは9月28日、日本企業の中国進出状況をまとめた調査結果を公表しました。2026年6月時点で中国本土(香港、マカオ両特別行政区および台湾を除く)に現地法人、関係会社、駐在事務所などを開設して進出している日本企業は1万118社判明しました。前回2024年調査時点の1万3034社から2916社減少し、減少率は22.4%(編集部計算)となりました。過去最高を記録した2012年(1万4394社)との比較では4276社、29.7%の減少となり、比較可能な2010年調査以降で最少の企業数となりました。
今回の減少幅を具体的に確認すると、2024年調査以降に新たに現地法人や工場拠点、駐在事務所を開設した「新規参入」は1221社となりました。単純比較はできないものの、前回調査からの新規参入数としては過去最少となりました。一方で、拠点閉鎖のほか倒産や廃業などによって調査対象から除外された「撤退・業況不明」は4137社となり、過去最多を記録しました。差し引きで2916社の純減となり、中国事業の再編や見直しの動きが数値として表れた形です。
地域別の進出状況を見ると、最大の進出先である上海市が進出企業数3961社となり、2024年の5046社から1085社(21.5%)減少しました。江蘇省は1517社(2024年比7.3%減)、広東省は1409社(同14.5%減)となりました。また、首都機能や統括拠点が多い北京市では555社となり、2024年の902社から38.5%減少しました。業種別(日本国内の事業内容ベース)では、最多を占める製造業が4206社となり、2024年の5139社から933社減少しました。次いで卸売業が3320社(同898社減)、サービス業が1213社(同590社減)となり、幅広い分野で企業数が縮小しています。製造業の内訳では、一般機械器具(1005社)や電気機械器具(601社)などが上位を占める一方、繊維工業・繊維製品製造業が2024年の310社から218社へ減るなど、労働集約的な軽工業分野での減少が目立ちました。
一方で、進出企業における中国市場の位置づけについては多角的な数値変化がみられます。帝国データバンクが実施した意識調査(中国進出企業を対象に最も重視する進出先を1カ国回答させたもの)によると、最も重視する「生産拠点」として中国を挙げた企業の割合は43.7%となりました。2019年時点の49.0%からは5.3ポイント低下したものの、次点のベトナム(8.7%)やタイ(7.0%)を大きく引き離して依然としてトップを維持しています。中国国内に構築された製造インフラや部材調達網、産業集積などの優位性は維持されているとしています。
対照的に変化が大きかったのが販売市場としての位置づけです。最も重視する「販売拠点」として中国を挙げた企業の割合は、2019年の47.7%から2026年には31.3%へと16.4ポイント低下しました。他国・地域の動きを見ると、タイが4.8%から9.7%、インドが1.4%から4.9%、インドネシアが1.8%から3.1%へと上昇しており、販売機能の分散化傾向がみられます。中国進出企業全体において、自社における最重要の販売市場として中国を捉える企業の割合が低下している実態が示されています。
こうした変化の背景には、様々なコスト要因や環境変化が挙げられます。中国各地の第1ランク最低賃金を基にした平均額(月額ベース)は2026年に2328元となり、2024年の2105元から10.6%上昇、2016年の1598元からは45.7%上昇しました。上海市(2740元)や江蘇省、浙江省(2660元)など主要沿海部では高い賃金水準が維持されています。帝国データバンクは、人件費面での優位性が低下していることに加え、米中対立や中国経済の減速、中国企業の台頭による競争激化などを挙げ、中国市場への過度な依存を見直す動きが強まっているとしています。
中国進出の日本企業はピーク時の2012年から約3割減少し、1万118社と過去最少となりました。進出企業の間では生産拠点として中国を最重要視する割合が4割超を維持する一方で、販売拠点としての重要性評価は大きく下落しています。企業数の絶対的減少とともに、中国をどのように事業拠点として組み込むかという構造的な位置づけの変化が鮮明になっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













