正社員等の人手不足D.I.+47、高水準続く 中途採用や賃上げで対応

2026年09月29日 18:45

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オフィス街を行き交う人々。厚生労働省の2026年8月労働経済動向調査では、正社員等の労働者過不足判断D.I.が+47ポイントとなり、企業では中途・新卒採用の強化や賃金改善、業務効率化などの対応が続いている(画像は資料写真)

今回のニュースのポイント

厚生労働省が9月29日に公表した2026年8月の労働経済動向調査によると、正社員等の労働者過不足判断D.I.は調査産業計で+47ポイントとなり、5月調査と同水準の不足超過が続きました。産業別では運輸業・郵便業が+61、建設業と学術研究・専門・技術サービス業がそれぞれ+59と高水準を示しました。労働者が不足している部門などがある事業所は81%に上り、対応を実施した事業所では中途採用の開始・拡大・強化が66%、新規学卒者採用が49%、業務効率化の推進が42%、在職者の賃金改善が40%となっています。

本文
 厚生労働省が9月29日に公表した令和8年(2026年)8月の「労働経済動向調査」結果によると、企業における正社員等の人手不足感が引き続き高水準で推移している実態が明らかになりました。

 今回の調査は2026年8月1日時点の状況について、主要産業の常用労働者30人以上を雇用する全国の民営事業所から5,786事業所を抽出し、3,175事業所から有効回答を得て実施されました(有効回答率54.9%)。

 正社員等の労働者過不足判断D.I.(「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた指標)は、調査産業計で+47ポイントとなりました。前回2026年5月調査の+47ポイントと同水準であり、2月調査の+49ポイントに続いて高水準の不足超過が継続しています。

 正社員等のD.I.を産業別にみると、業種によって不足感の強さに違いがみられます。最も高い水準となったのは「運輸業,郵便業」の+61ポイントで、「建設業」と「学術研究,専門・技術サービス業」がそれぞれ+59ポイント、「医療,福祉」が+55ポイント、「情報通信業」が+52ポイントで続きました。「製造業」も+45ポイント、「サービス業(他に分類されないもの)」も+51ポイントと幅広い分野で人手不足感が広がっています。一方で、「卸売業,小売業」は+26ポイント、「金融業,保険業」は+31ポイントにとどまっています。

 こうした人手不足感に対し、各事業所は多様な対応策を講じています。労働者が不足している部門などがある事業所の割合は調査産業計で81%に達し、2026年4〜6月期に何らかの対応を行った事業所は全体の67%でした。

 この対応を実施した事業所を対象に具体的な取り組み(複数回答)を尋ねたところ、「中途採用の開始・拡大・強化」と回答した事業所が66%で最も高くなりました。次いで「新規学卒者の採用の開始・拡大・強化」が49%、「業務の効率化の推進」が42%、「在職者の労働条件改善(賃金)」が40%となりました。このほか、「臨時・パートタイム労働者の採用」が38%、「求人条件(募集賃金)の引き上げ」が37%、「省力化投資の実施」が12%となっています。

 今後の雇用の見通しを示す雇用判断D.I.(労働者数を前期末比で「増加」と回答した割合から「減少」と回答した割合を差し引いた指標)については、2026年7〜9月期の正社員等実績見込みが調査産業計で+6ポイントとなりました。さらに、2026年10〜12月期の見通しでは+8ポイントとなり、雇用を増やすとする事業所が減らすとする事業所を上回る見込みです。10〜12月期の見通しを産業別でみると、「情報通信業」が+18ポイントで最も高く、「不動産業,物品賃貸業」と「サービス業(他に分類されないもの)」がそれぞれ+11ポイント、「製造業」が+10ポイントとなりました。

 なお、8月1日時点におけるパートタイム労働者の過不足判断D.I.は調査産業計で+26ポイントとなり、5月調査の+27ポイントから1ポイント低下したものの、引き続き不足超過で推移しています。主な産業別では「サービス業(他に分類されないもの)」が+42ポイント、「宿泊業,飲食サービス業」が+34ポイント、「卸売業,小売業」と「生活関連サービス業,娯楽業」がそれぞれ+32ポイントとなりました。

 2026年8月時点の調査では、正社員等・パートタイムともに人手不足とする事業所が過剰とする事業所を上回る状況が続いています。特に運輸や建設などで強い不足感がみられる中、企業は中途・新卒採用の強化に加え、賃金の改善や業務効率化などを組み合わせて対応を進めています。10〜12月期の正社員等雇用判断D.I.も+8ポイントとなり、雇用増を見込む企業が優勢な状況が続く見通しです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)