日産自動車がグローバル市場へ順次投入する新型ピックアップトラック「フロンティア プロ」。中国の合弁会社・鄭州日産汽車有限公司が設計・開発・生産を担い、2026年10月のメキシコ発売を皮切りに海外市場への展開を進める。(写真提供:日産自動車)
今回のニュースのポイント
日産自動車は2026年10月8日、新世代ピックアップトラック「フロンティア プロ/ナバラ プロ」をメキシコを皮切りにグローバル市場へ順次投入すると発表しました。本モデルは、中国の合弁会社である鄭州日産汽車有限公司が設計・開発・生産を担当しており、日産として初めて中国で開発・生産して世界へ輸出するグローバル戦略車となります。中南米やアジア、オセアニア向けにはプラグインハイブリッド(PHEV)、中東向けには内燃機関(ICE)モデルを設定するなど、地域別のニーズに合わせたパワートレインを展開。中国の開発・生産力と日産のグローバルな商品開発の知見を融合し、海外市場向け商品ラインアップの強化を図る狙いです。
本文
日産自動車は10月8日、新型ピックアップトラック「フロンティア プロ/ナバラ プロ」をメキシコから順次世界市場へ投入すると発表しました。今回のグローバル展開における最大の節目となるのが、中国の合弁会社である鄭州日産汽車有限公司が設計、開発、生産を一貫して担っている点です。日産として、中国で開発・生産された車両をグローバル市場へ輸出する初のモデルとなり、中国を単なる販売市場としてだけでなく、商品イノベーションや車両開発、モノづくりを支える重要な拠点として活用する新たなグローバル戦略を示すものとなります。
鄭州日産が主導する開発体制においては、日産が長年培ってきた品質基準や商品開発の知見と、中国における開発・生産力を融合しています。日産は、急速に変化する世界各国の市場ニーズにタイムリーに対応するため、中国の開発・生産拠点を活用し、世界各国の市場ニーズに迅速に対応する方針です。この中国発のモデルを世界展開の柱の一つと位置付けることで、特に成長市場における商品ラインアップの拡充とブランド競争力の向上を同時に狙う戦略です。
市場への投入スケジュールとしては、まず2026年10月にメキシコで販売が開始されます。メキシコは、中国以外で本モデルが展開される最初の市場となります。続いて11月にはフィリピンへ投入され、2026年末までに中東や中南米の各市場へ順次展開される予定です。さらに2027年には、オーストラリアおよびニュージーランドにて「ナバラ プロ」の名称で市場導入が計画されています。地域ごとに投入時期や車名を最適化しながら、世界規模での普及を進める計画です。
パワートレインの展開においては、単一の仕様を全世界に均一投入するのではなく、各地域の環境や需要に合わせて使い分ける柔軟な商品戦略が採られています。中南米、アジア、オセアニア市場向けにはプラグインハイブリッド(PHEV)を、中東市場向けには内燃機関(ICE)モデルを設定します。PHEVには1.5リッターと2.0リッターのパワートレインが設定されます。業務用途から家庭用、レジャーまでこなす5人乗りピックアップとして、実用性と電動化のバランスを図っています。
メキシコ市場向けに投入される「フロンティア プロ PHEV」は、1.5リッターターボエンジンに電動モーターと20kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせた先進的なシステムを搭載しています。システム最高出力350馬力、最大トルク660Nmを発揮し、電気のみで走行できるEV走行距離は最大75km、エンジンと合わせた総航続距離は約1,000kmに達します。最大3.5トンの牽引能力や815kgの積載能力、外部給電(V2L)機能も備え、現地での販売予定価格は96万9,900メキシコペソからに設定されています。
中国で設計・生産される車両でありながら、販売先のローカル環境に密着した適応開発が徹底されている点も大きな特徴です。日産は中南米市場特有の道路条件や気候、高地での走行に耐えうる性能を確保するため、メキシコ国内で10万kmを超える過酷な走行評価を実施しました。パワートレインの充電管理や高地での登坂性能、操縦安定性、制動性能、耐久性などを検証し、現地の使用環境に合わせた車両開発を進めてきました。
日産は1934年の「ダットサン13型トラック」発売以来、90年以上にわたりピックアップトラックを手がけ、世界140以上の市場で累計1,500万台以上を販売してきた深い歴史を持ちます。今回の新型車は、日産が長年培ってきたピックアップトラックの技術や知見と、中国の開発・生産力を組み合わせたモデルです。日産は今後も中国拠点の強みを活かした商品開発を進め、グローバル市場における競争力を一段と高めていく構えです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













