村田製作所、中間営業利益49%増で過去最高 AI関連需要伸長、通期5200億円に上方修正

2026年10月30日 14:26

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村田製作所の企業ロゴ。同社が2026年10月30日に発表した2027年3月期中間決算は、データセンター向け電子部品の需要拡大などを背景に、売上収益と営業利益が中間期として過去最高を更新した。

今回のニュースのポイント

村田製作所が発表した2027年3月期中間決算は、売上収益が前年同期比20.8%増の1兆907億円、営業利益が同48.9%増の2,459億円となり、中間期として過去最高を更新しました。AIデータセンター向けコンデンサ等の販売増と操業度益がけん引し、為替影響を除く営業増益率も30.7%に達しました。これを受け、通期の営業利益予想を従来の4,300億円から過去最高となる5,200億円へ上方修正しました。

本文
 村田製作所が2026年10月30日に発表した2027年3月期中間決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比20.8%増の1兆907億64百万円、営業利益が同48.9%増の2,459億7百万円となりました。中間期としての売上収益および営業利益は過去最高を更新しました。税引前中間利益は同42.1%増の2,484億15百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同40.6%増の1,861億52百万円でした。データセンター向け部品需要の拡大に加え、生産高増加による操業度益や円安効果が寄与し、営業利益率は前年同期の18.3%から22.5%へ改善しました。

 成長をけん引したのはデータセンター向けの旺盛な需要です。製品別では、主力のコンデンサ売上収益が前年同期比33.1%増の6,055億83百万円と急伸し、インダクタ・EMIフィルタも同21.8%増の1,349億26百万円と伸長しました。用途別でも、データセンター向けを含む「コンピュータ」用途が同61.2%増の2,351億10百万円に達しました。データセンター向けでは積層セラミックコンデンサ(MLCC)や電源モジュール、リチウムイオン二次電池などが拡大しています。なお、コンデンサ売上やコンピュータ用途売上には民生向け等も含まれ、AIデータセンター単独の売上額ではありません。

 増収増益には円安による為替効果も寄与しました。売上収益の増加額(約1,880億円)のうち為替影響は約600億円で、為替を除く実質増収率は14.2%でした。営業利益の増加額(約808億円)のうち為替影響は約300億円で、為替を除く実質増益率は30.7%となります。期中平均レートは前年同期の1ドル=146.04円から159.37円へ円安が進みました。もっとも、為替要因を除いても2桁の増収増益を達成しており、販売数量の拡大と生産高増加に伴う操業度益が利益を大きく押し上げました。

 一方で製品分野による濃淡もみられます。製品・事業別では、「高周波・通信」の売上収益が前年同期比2.1%減の1,984億74百万円となりました。スマートフォン向けで樹脂多層基板や高周波モジュールが減少したことが響いています。用途別でも「通信」は同5.6%増の3,468億13百万円にとどまり、「家電」はパワーツール向け電池の減少で同2.4%減の716億45百万円でした。データセンター関連の活況に対し、スマートフォン関連には弱さが残っています。

 中間期の進捗を踏まえ、同社は通期連結業績予想を上方修正しました。売上収益は7月予想の2兆1,100億円から2兆2,600億円(前期比23.4%増、7.1%増)へ、営業利益は4,300億円から5,200億円(同84.5%増、20.9%増)へと大幅に引き上げました。親会社所有者帰属当期利益も3,380億円から3,960億円(同69.3%増、17.2%増)へ修正しました。会社は、通期の売上収益と営業利益についても過去最高を更新する見通しを示しています。修正理由はデータセンター需要の拡大や操業度益、品種構成の良化です。なお、第3四半期以降の為替前提は1ドル=155円で据え置いています。

 全社受注高は過去最高を更新しました。ただし、会社側は長納期案件の増加や一部用途での前倒し受注の可能性に注視する姿勢も示しています。株主還元については、年間配当予想を1株当たり70円(前期実績65円から5円増配計画)で据え置きました。中間配当35円(11月30日支払開始)は取締役会で決議済みです。1,500億円の自己株式取得も当初方針通り進められています。

 村田製作所の中間決算は、データセンター向け需要が業績を押し上げ、スマートフォン向けの一部製品が減収となる中でも過去最高益を達成しました。為替影響を除いても売上・利益が大きく伸びており、成長の中心がコンデンサとコンピュータ用途へシフトしている実態が示されています。なお、同社は2030年度までにMLCCの生産能力を拡大する大型投資計画も発表しており、詳細は別記事で伝えます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)