鉱工業生産、9月は2.2%上昇 自動車・半導体製造装置がけん引、在庫増が映す回復の課題

2026年10月31日 07:31

自動車製造イメージ

自動車の製造ライン。2026年9月の自動車工業の生産指数は前月比5.5%上昇し、鉱工業生産全体の増加に寄与した。(画像はイメージ)

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2026年9月の鉱工業生産指数は104.1となり、前月比2.2%上昇と3か月ぶりにプラスとなりました。自動車工業が5.5%増、生産用機械工業が3.4%増と牽引しました。一方、出荷指数は0.6%増にとどまり、在庫指数は2.5%増と拡大しました。経済産業省は基調判断を「生産は一進一退」に据え置いています。製造工業生産予測調査では10月に5.1%増、11月に0.8%増を見込んでいます。

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 経済産業省が発表した2026年9月の鉱工業指数(速報、2020年=100)によると、生産指数(季節調整済)は前月比2.2%上昇の104.1となり、3か月ぶりのプラスとなりました。自動車工業や半導体製造装置を含む生産用機械工業の増産が指数を押し上げました。一方、出荷指数の伸びは前月比0.6%の上昇にとどまり、在庫指数は2.5%上昇と拡大しました。同省は基調判断について「生産は一進一退」に据え置いており、生産の持ち直しが見られるものの、需要の強さや持続性については慎重に見極める必要があります。

 9月の生産指数(季節調整済)は104.1となり、前月比で2.2%の上昇を記録しました。前年同月比(原指数)では1.9%増となり、4か月連続で前年水準を上回っています。直近3か月の推移をみると、7月が104.4(前月比0.2%低下)、8月が101.9(同2.4%低下)と落ち込んでおり、9月は8月の水準から反発した形です。ただし、9月の指数は7月の104.4には届いておらず、8月の落ち込みを取り戻す過程にとどまります。単月の上昇をもって直ちに持続的な回復基調に入ったとは判断できません。

 業種別の生産動向をみると、自動車工業が前月比5.5%増(前年同月比3.3%増)となり、全体を大きく押し上げました。普通乗用車や駆動伝導・操縦装置部品、軽乗用車などの生産が増加しました。また、生産用機械工業も前月比3.4%増と堅調でした。生産用機械工業全体の前年同月比は20.1%増と高い伸びを示しており、主な増加品目として半導体製造装置や化学機械、機械プレスなどが挙がっています。さらに、汎用・業務用機械工業も前月比4.8%増(前年同月比6.0%増)となりました。電子部品・デバイス工業は、モス型IC(メモリ)や電子回路基板の増加で前月比3.4%増となったものの、前年同月比では0.9%減でした。

 生産が上向いた一方で、出荷指数の伸びは小幅でした。9月の出荷指数(季節調整済)は101.0で、前月比0.6%の上昇にとどまりました。自動車工業(2.3%増)や汎用・業務用機械工業(5.5%増)が伸びた一方、鉄鋼・非鉄金属工業(3.7%低下)や石油・石炭製品工業(4.3%低下)、電子部品・デバイス工業(0.2%低下)などが弱含みました。一方、9月の在庫指数(季節調整済)は99.9と前月比2.5%上昇し、在庫率指数も108.4と前月比2.0%上昇しました。業種別では、電子部品・デバイス工業の在庫が前月比10.1%増、自動車工業の在庫も前月比5.4%増(前年同月比30.5%増)となりました。在庫増加には出荷増に備えた積み増しなど複数の要因が考えられ、直ちに需要低迷とは断定できませんが、今後の出荷動向を注視する必要があります。

 製造業全体が均一に改善しているわけではなく、業種間のばらつきも残ります。機械や自動車が生産を伸ばした一方、鉄鋼・非鉄金属工業は前月比1.6%低下、窯業・土石製品工業は同1.9%低下しました。さらに、無機・有機化学工業および医薬品を除く化学工業が同1.0%低下、プラスチック製品工業も同0.5%低下するなど、素材系産業に停滞が見られます。こうした業種間のばらつきも踏まえると、9月の生産指数が上昇しただけで製造業全体の回復が定着したとは判断できません。経産省は基調判断を「生産は一進一退」に据え置いています。

 先行きを示す製造工業生産予測調査によると、生産計画は10月に前月比5.1%の上昇、11月に同0.8%の上昇が見込まれています。10月は電子部品・デバイス工業や生産用機械工業などが牽引し、11月は輸送機械工業や汎用・業務用機械工業などが寄与する計画です。ただし、これらは企業の計画に基づく予測値であり、計画の変更などによって実績と異なる可能性があります。10月以降に計画通りの増産が実現するかは慎重に見極める必要があります。

 9月の鉱工業生産は自動車や機械が牽引して3か月ぶりの上昇となったものの、出荷の伸びは鈍く、在庫は増加しました。主要業種での増産が安定した出荷に結びつくか、在庫の増加傾向が今後どう変化するかが、製造業の回復を判断する重要な材料となります。生産計画の上昇見通しとともに、実需の持続性を丁寧に見極める局面が続きます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)