サンリオ、中間売上高1077億円で過去最高 複数キャラ人気で22.9%増収、利益率は低下

2026年11月06日 16:41

今回のニュースのポイント

サンリオが2026年11月6日発表した2026年4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比22.9%増の1,077億円、営業利益が同9.4%増の428億円となり、中間期として過去最高を更新しました。30周年のポムポムプリンなど複数キャラクターの人気拡大や、国内外での物販・ライセンスの成長が牽引しました。一方、物販比率の上昇や戦略投資に伴い営業利益率は39.8%へ低下。通期業績予想は売上高2,298億円、営業利益895億円を据え置きました。

本文
 株式会社サンリオが2026年11月6日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)連結決算は、売上高が前年同期比22.9%増の1,077億25百万円、営業利益が同9.4%増の428億82百万円となり、中間期として売上高・営業利益ともに過去最高を記録しました。経常利益は同8.4%増の430億69百万円、親会社株主に帰属する中間純利益は同6.1%増の291億98百万円と各利益項目で増益を確保しています。複数キャラクターの活用が進み、物販とライセンスの双方が力強く伸長したことが業績を押し上げました。ただし、売上高が2割超拡大した一方で営業利益の伸びは1桁にとどまり、売上高営業利益率は前年同期の44.7%から39.8%へと4.9ポイント低下しました。中間期過去最高の実績を達成しつつも、利益率の変化が表れる決算となりました。

 業績拡大を牽引したのは主力の日本事業です。日本セグメントの売上高は前年同期比20.1%増の627億円、セグメント営業利益は同20.1%増の300億円と大幅な増収増益を達成しました。物販事業では、訪日客によるインバウンド需要が減少した一方、前年の原宿店に続き2026年7月にオープンした心斎橋の大型基幹店が寄与し、国内購買者数が同17%増加しました。コンビニエンスストア向けの当りくじなども好調です。ライセンス事業でも玩具や飲料、食品向けへのキャラクター採用が広がったほか、カプセルトイ関連の売上高は前年同期比で約3倍に急拡大しました。また、テーマパーク事業においても、多彩なイベントを展開したサンリオピューロランドの来場者数が中間期として過去最高を記録し、客単価の上昇とともに収益を支えました。

 事業成長の背景には、ハローキティにとどまらない複数キャラクター戦略の進展があります。同社は特定IPへの依存を低減し、多様なキャラクターを育成・展開する施策を推進しています。なかでも2026年に30周年を迎えたポムポムプリンは、記念イベントや各種プロモーションが奏功し、国内関連売上高が前年同期の約2倍に達する躍進をみせました。さらにウサハナなどの露出拡大も進み、キャラクターポートフォリオの分散が進展しています。また、グループ共通の会員基盤である「Sanrio+」の会員数は2026年9月末時点で約369万人に達し、同年6月末から約21万人増加しました。会員網の拡充を通じて顧客との継続的な接点を深め、ロイヤルカスタマーの育成と日常的な購買需要の喚起につなげています。

 海外事業においても売上高の成長が続いた一方、地域ごとの利益面では明暗が分かれました。決算期が異なる海外連結子会社(2026年1~6月実績を反映)の状況をみますと、欧州セグメントはライセンス好調により売上高が前年同期比42.9%増の65億円となったものの、セグメント営業利益は同2.3%減の11億円となりました。アジアセグメントも中国や韓国での伸長を背景に売上高は同31.4%増の244億円に拡大しましたが、営業利益は同4.3%減の97億円にとどまりました。北米セグメントは売上高が同7.7%増の118億円となる一方、人件費等の増加により営業利益は同31.9%減の23億円となりました。南米は増収増益となったものの、主要海外市場では費用負担が利益を圧迫する形となりました。

 営業利益率が前年同期の44.7%から39.8%へ4.9ポイント低下した要因について、会社側は事業構成比の変化と将来に向けた先行投資を挙げています。当中間期の売上高の内訳では、高収益なライセンス事業が前年同期比23.4%増の535億円と伸長した一方、商品原価が発生する物販その他事業も同22.4%増の541億円へ拡大し、物販構成比が上昇しました。これに加え、同社が2025年5月に策定した長期ビジョン「みんなを笑顔に導く灯台に」に基づき、映像やデジタル領域、自社ゲーム事業「Sanrio Games」など、将来の成長に向けた戦略投資を進めています。会社側は、こうした投資と物販事業の売上構成比上昇が営業利益率低下の主な要因だと説明しています。中期経営計画の最終年度として、収益基盤の拡充を優先した結果といえます。

 2027年3月期の通期連結業績予想について、サンリオは期初公表の数値を据え置きました。売上高は前期比18.4%増の2,298億円、営業利益は同15.0%増の895億円、経常利益は同13.7%増の902億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同16.8%増の638億円を見込んでいます。中間期実績が過去最高となったものの、下期のリスク等を考慮し予想の修正は行っていません。また、年間配当予想は2026年4月1日付の株式分割(1株につき5株)後ベースで年間16円(中間8円、期末予想8円)を維持しました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)