フジテレビ本社ビル。フジ・メディア・ホールディングスが2026年11月6日に発表した2027年3月期中間決算は、連結営業利益が210億5百万円となり、前年同期の赤字から黒字転換した。フジテレビの地上波広告収入の回復が業績改善を牽引した。(資料写真)
今回のニュースのポイント
フジ・メディア・ホールディングスが2026年11月6日発表した2026年4~9月期連結決算は、売上高が前年同期比11.6%増の2,776億64百万円、営業利益が210億5百万円と前年同期の赤字から黒字転換しました。フジテレビの地上波広告収入が回復したほか、デジタルやアニメが伸長しメディア・コンテンツ事業が改善を牽引しました。一方、都市開発・観光事業は反動減等で減益となり、純利益は有価証券売却益の減少で18.2%減でした。人権・ガバナンス改革も継続しています。
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フジ・メディア・ホールディングスが2026年11月6日に発表した2027年3月期中間連結決算(2026年4~9月)は、売上高が前年同期比11.6%増の2,776億64百万円となり、本業の儲けを示す営業損益は前年同期の129億90百万円の赤字から210億5百万円の黒字へと急改善しました。経常損益も前年同期の108億92百万円の赤字から216億円の黒字へと転換しています。会社側は、連結営業利益が2008年10月の持株会社制移行後、上期として過去最高になったと説明しています。一方、親会社株主に帰属する中間純利益は前年同期比18.2%減の140億1百万円にとどまりました。これは前年同期に特別利益として計上していた投資有価証券売却益が大幅に減少したことなどが要因です。営業段階で大幅な黒字化を果たしたものの、最終利益を含めた全利益項目が一律に増益となったわけではありません。
連結営業損益の黒字化を主導したのは、中核子会社であるフジテレビジョンの業績回復です。フジテレビ単体の上期累計売上高は前年同期比86.1%増の1,129億58百万円に達し、営業損益は前年同期の327億37百万円の赤字から32億86百万円の黒字へ転換しました。前年同期は同社の事案を受けた出稿見合わせが相次ぎ広告収入が激減していましたが、当中間期は地上波テレビ広告収入が646億74百万円と前年同期の約3.4倍へ急回復しました。ネットタイム、ローカルタイム、スポットの全区分で大幅増収となり、会社側は放送収入が事案前の水準までほぼ回復したと説明しています。ただし、7~9月の第2四半期単独でみると同社の営業損益は3億3百万円の赤字にとどまっており、赤字幅は大幅に縮小したものの、依然として回復の途上にある実態も示されています。
フジテレビでは放送広告収入の回復に加え、コンテンツを多角的に活用するビジネスの拡大も収益を支えました。デジタル事業では、動画配信サービス「FOD」の高価格帯プランの会員数が堅調に推移したほか、外部プラットフォーム向けのコンテンツ販売も好調で、収入が増加しました。また、アニメ事業では「ちいかわ」や「パペットスンスン」などの人気IPを活用した関連収入が業績に貢献しました。これらを受け、ポニーキャニオンの黒字化なども加わり、メディア・コンテンツ事業全体の売上高は前年同期比36.6%増の2,014億2百万円、セグメント利益は前年同期の292億71百万円の赤字から126億46百万円の黒字へ転換しました。同利益は現行のセグメント区分を導入した2018年度以降、上期として過去最高となり、グループ全体の業績改善を牽引しました。
メディア・コンテンツ事業が回復を遂げた一方、もう一つの収益柱である都市開発・観光事業は対照的な減収減益となりました。同セグメントの売上高は前年同期比25.2%減の730億53百万円、セグメント利益は同47.5%減の94億80百万円と大幅に減少しました。サンケイビルにおいてオフィスビルや住宅の賃貸収益は堅調だったものの、前期に計上された大型分譲マンションや開発物件売却の反動減が利益を押し下げました。さらに、グランビスタホテル&リゾートでも銀座グランドホテルの改装休館や新規ホテルの開業費用、一部観光施設での集客減に加え、物価高に伴う原価や人件費などのコスト増加が重荷となりました。メディア部門の好転が目立つ一方、前期の大型物件売却の反動減や観光事業のコスト負担が、グループ全体の収益を下押ししました。
2027年3月期通期の連結業績予想について、同社は期初公表の数値を据え置きました。売上高は前期比13.4%増の6,257億円、営業利益は401億円、経常利益は383億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期の約4倍となる261億円を見込んでいます。年間配当予想も期首方針通り中間100円、期末100円の合計200円(前期実績125円)を維持しました。なお、同社は新たな成長戦略としてSBIグループとの資本業務提携を発表したほか、都市開発・観光事業への外部資本導入についても多数の提案を受けて前向きに検討を進めていると説明しています。ただし、外部資本導入の手法や時期、規模は未確定であり、公表された通期業績予想には織り込まれていません。
業績の急回復が進む一方で、持続的な成長に向けては組織風土の再生とガバナンス改革の継続が不可欠な課題です。同社は決算発表と同時にフジテレビの再生・改革の進捗を公表し、独立社外取締役が率いるリスクポリシー委員会やグループ人権委員会での議論を明らかにしました。2025年8月に開設したグループ通報窓口の運用実績から見えた課題を踏まえ、通報者を守る企業風土の醸成や経営主導でのハラスメント対策を推進しているほか、人権リスクマップや人権ロードマップに基づく全社研修を実施しています。放送広告収入が戻り営業黒字を回復したとはいえ、過去の教訓を風化させることなく、人権尊重と透明性の高いガバナンスを現場に定着させられるかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













