中国の新興メーカー・SEIKI、破格の50型4KウルトラHDTVを発売

2013年05月08日 19:56

 中国の新興メーカー「SEIKI」が、50型の4K解像度のウルトラHDTVをなんと1499.99ドルで発売し、大きな注目を集めている。

 話題となっているのは、SEIKIのウルトラHDTV「SE50UY04」。中国メーカーCMI製の50インチ(3840×2160ピクセル)の液晶パネルを採用し、バックライトはエッジ型、120Hz駆動、コントラスト比5000:1、応答速度6.5ms。最大色は10億色以上を誇る。

 コストダウンの秘密は、ハイクオリティな画質と音質にのみ特化したことにある。オプション機能や外部形状などの余計なコストを徹底して省き、低価格化を実現した。とはいえ、HDMIを3系統、コンポジットが1系統、VGAが1系統、チューナー、1系統と基本的な接続系統は実装している。

 ちなみに、6月に発売が予定されているソニーの55型の4KウルトラHDTV「BRAVIA X9200A」が、約50万円という価格設定。これでもウルトラHDTVとしては、かなり価格が抑えられている商品なのだが、SEIKI製品と比べると、日本円で30万円強もの価格差をつけられてしまっている。シンプルな機能だけで満足できるユーザーなら、圧倒的にお得だろう。

 しかも、安価なだけでなく、同社ではどうやら独自のアップコンバートのアルゴリズムを開発しており、SD/HDのコンテンツもUHD解像度にアップスケーリングした画質で視聴することができるのも大きな魅力となっている。

 現在、米国内でのオンラインサイト「Amazon」や「Tiger Direct」や「ShopNBC」など、12店舗のみで販売されており、実勢価格は1299ドル前後で取引されているという。購入者のレビューも評価が高いものが多く、近く、米国のKmartやSearsなどの実店舗でも販売が開始されるとあって、さらに注目が高まっている。

 近年、日本メーカーが開発している家電製品は高機能化傾向が強い。他社との差別化を図るため、また消費者の購買意欲を喚起するためでもあるが、かえって扱いにくい家電も多くなりつつあるのではないだろうか。それに対して、台頭する海外メーカーの商品は、高性能かつシンプルな商品が多く見受けられる。単に価格の問題ではなく、日本メーカーが脅威に感じて改善すべきは、むしろそちらかもしれない。(編集担当:藤原伊織)