IDC Japan 株式会社は6日、国内教育分野におけるタブレットソリューション市場の実績調査結果を発表した。それによると2013年の国内教育分野タブレット出荷台数は25万台、タブレットソリューション市場売上額は260億円だった。14年の出荷台数は43万台でソリューション売上302億円の見込みだが、4年後の18年には128万台、売上759億円にまで膨れ上がることが予測される。またタブレットに関する教育関係者の意見は肯定的で、導入予定がない学校でも「使わせたいが予算がない」との理由が6割を超えていた。
調査では、学校の教職員、塾/予備校の講師、学校に通う子供がいる親を対象にWebアンケートを実施し、教育におけるタブレット端末の導入状況、意向についてまとめたもの。さらに取材情報などを加味し、教育分野のタブレットの出荷台数と同ソリューション市場について14年~18年の予測を行っている。
これによると、13年の国内教育分野におけるタブレットの出荷台数は25万台、タブレットソリューション市場の売上額は260億円になることがわかった。
教育分野におけるタブレットの出荷台数は、14年に43万台、18年には128万台に達し、13年~18年の年間平均成長率は38.7%になるとIDCではみている。教育分野におけるタブレットソリューション市場の売上額は14年に302億円、18年には759億円、13年~18年のCAGRは23.9%と予測した。
Webアンケート調査で、タブレットの導入状況を学校の教職員に質問したところ「導入済」9.8%、「導入予定」20.4%、「導入予定なし」53.1%、「知らない」16.7%であった。「導入予定なし」と回答した校長、教頭にその理由を質問したところ「使わせたいが予算がない」との回答が66.0%と6割を超え、逆に「ICTを使う必要性を感じない」の回答は、4.3%と少ないことがわかった。
このことから、導入予定がないと回答していても、校長、教頭は、ICTやタブレットの導入に対しては肯定的な考えを持ち、政府あるいは自治体などのサポートによって予算が確保できれば、導入へ舵をきる可能性が高いと考えられる。
IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション リサーチマネジャーの片山 雅弘氏は「学校で本格的に普及するには、少し時間がかかりそうだ。学校より先に、塾/予備校/通信教育で需要が立ち上がる可能性が高い」とする。また「通信教育で利用されているタブレットは、1万円前後で安価なものだが、自社開発にて教育分野に特化し、作りこんでいる。加えてこのタブレット用に開発されたコンテンツで成果を上げれば、学校で採用されることも十分考えられる。ITベンダーは、この先、学校での需要を取り込むためには、まずこの通信教育分野におけるタブレットソリューションのノウハウを吸収すべきである」と指摘している。(編集担当:横井楓)