住友林業が米国戦略を加速 テキサス州の住宅事業企業を買収

2014年05月11日 09:35

 現在、米国経済は堅調な回復傾向にある。中でも、テキサス州はそのスピードが速く、石油・天然ガス産業、半導体などのハイテク産業や航空産業を中心に、安定的な雇用環境、高い人口増加率が持続すると見込まれているという。またテキサス州は、宅地に適した土地が豊富で、かつ宅地造成等の規制も少ないことから、安定的に土地の仕入れが可能なエリアであり、かつ、米国内において住宅価格が比較的安定している住宅事業業界にとって優良なマーケットと考えられている。

 今回、住友林業<1911>がテキサス州の住宅事業企業を買収、米国戦略を加速させる。米国の子会社であるSumitomo Forestry America, Inc. (住友林業100%出資)を通じて、米国テキサス州の住宅事業会社であるGehan Homes(ギーエン ホームズ), Ltd.社(Gehan社)を中心とするGehan Homesグループの持分51%取得に関する契約を締結した。

 同社は海外事業を成長事業の柱の一つと位置づけ、米国住宅事業においても全米ナショナルビルダーを目指して事業拡大を進めている。その一環として、2013年6月には、テキサス州ダラス・フォートワース地区で住宅事業を行っているBloomfield Homes(ブルームフィールド ホームズ)社の持分を取得した。

 同社は、経済的条件に恵まれているテキサス州マーケットを深耕すべく、テキサス州ダラス・フォートワース地区、ヒューストン地区、オースティン地区、サンアントニオ地区に営業拠点を置くGehan社の持分を取得することによって、米国住宅事業のさらなる事業拡大を図る。またGehan社は、2012年にアリゾナ州フェニックス地区にも進出しており、他エリアへの進出の足がかりとしていく方針だ。

 Gehan社は1994年に設立されたホームビルダーで、テキサス州を中心に年間1000棟程度の分譲住宅を、10年以上にわたり安定的に供給している。2012年の住宅販売棟数ランキングでは全米30位にランクされている。2013年12月期の実績は販売棟数1089棟、売上高3億200万ドル。

 今回の持分取得により住友林業の米国住宅事業は、シアトル地区においてデザイン力の高さで差別化を図るHenley USA LLC(連結子会社)、昨年持分を取得したBloomfield Homes社(持分法適用会社)、およびGehan社の3社体制にて展開していく。同社グループの米国における住宅販売棟数は、年間約2000棟となる見込み。また、同社グループ会社が確保している住宅用地を背景に、2016年に米国における住宅販売棟数を年間約3000棟に伸ばす基盤を整えた。(編集担当:慶尾六郎)