前週の週間548円の下落で「買われすぎ」は全く解消し、25日移動平均乖離率はプラスの4.1%からマイナスの0.2%に一変。25日騰落レシオは5日の135.06から12日は109.13まで下がった。過去の騰落データが良い「SQ後週」に加えて、テクニカル的にみても今週、大きく売り込まれる可能性は低い。
では、上値、下値はどのあたりを想定すればいいだろうか? 「ボリンジャーバンドの-1σと+1σの間のニュートラル・ゾーン」を外れないというコンサバティブな見方なら17110~17705円になる。下値のほうは12日のシカゴのCME先物清算値が17135円で25日線+1σに近いが、ここは12日のメジャーSQで算出されたSQ値17281.64円を目安にしたい。これは12日の値動きが一度も下回らなかった「まぼろしのSQ値」で、下値支持力が強く下落時のサポートラインになる可能性が高い。11月のSQ値17549円が逆のパターンの上値抵抗力が強い「まぼろしのSQ」で、前々週に上に突破されているが、この時は上昇しやすいデータがある「SQ前週」だった。同じく上昇しやすいデータがある「SQ後週」で、それとは逆向きの力が作用して下値支持力が強い「まぼろしのSQ」を下に突破されるとは考えにくい。「まぼろしのSQ」が持つ力を、素直に信じよう。
一方、上値のほうは、超えれば「買われすぎ」になる目安の25日移動平均+5%のラインが18278円で、ボリンジャーバンドの25日線+2σも18002円に位置するので今週、週間で629円上昇して「18000円再突破」「前週の全値戻し」を期待する人もいそうだが、それは来週以降の楽しみにとっておこう。
というのは今週、FOMC(16~17日)と日銀会合(18~19日)がダブルで控えているからだ。中央銀行イベントがダブルなら結果待ちの様子見もダブル。それに加えて原油安によるアメリカの株安、ギリシャの大統領選挙、中国の経済指標の悪化などのリスク要因で為替が円高に振れる可能性がある。石油のほとんどを輸入に頼っている日本経済なので本来、原油安は好材料になるが、NYダウの下落、ドル安円高を介して悪材料に変身するから厄介。今週がピークのIPOラッシュも、投資家の資金と関心が主力銘柄からそっちのほうに奪われてしまう懸念がある。
だから今週は素直に、上値はボリンジャーバンドの「ニュートラル・ゾーン」の上限、25日線+1σの17705円付近としたい。「アベノミクス相場」以降の12月のSQ後週の上昇幅は2012年は202円、2013年は467円だったが、足して2で割った334.5円高を12日終値の17371.58円に加えると17706円になるが、それは少々強引で素直じゃない、か?
ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは17280~17700円とみる。クリスマスが近づくと、きらめき、浮かれる巷を低く見て「欧米では復活祭(イースター)のほうがずっと大事なイベントだ」としたり顔で言う〃キリスト者〃が現れたりするが、素直じゃない。「蛇のように賢く、鳩のように素直であれ」(新約聖書・マタイの福音書第10章第16節)(編集担当:寺尾淳)