【今週の振り返り】大型連休明けに4日続伸し305円上昇した週

2016年05月14日 20:19

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3月期決算の発表がピークで、自動車業界や電機業界で大きなニュースが相次いでも、最大の支援材料は円安が進んだ為替だった。

 11日の日経平均は小幅に3日続伸。ヨーロッパ市場は小幅プラス。NYダウは222ドル高と反発し2ヵ月半ぶりの大幅高。3月の卸売在庫は+0.1%で市場予測と同じ。卸売売上高は2015年4月以来11ヵ月ぶりの大幅な伸び。4月の中小企業楽観指数は+1.0ポイントの93.6で今年初めて上昇した。原油先物価格が44ドル台まで上昇したのが支援材料で、終始高値圏で安定的に推移した。朝方の為替レートはドル円が109円台前半、ユーロ円が124円台前半で、2週間ぶりの円安水準。CME先物清算値は16780円。

 オバマ大統領の27日の広島訪問が決まった。日経平均は日足一目均衡表の「雲」を抜けて171円高の16736円で始まる。9時台に前日終値比で200円高を超え16800円台に乗せ、10時台もそれが続き10時6分に16814円の高値をつける。だが10時30分、「お待たせしました」とばかりにSQ週の水曜日の先物仕掛け売り、「鬼門の鬼」が出現して金棒をフルスイング。為替のドル円は109円台前半から108円60銭付近まで急速な円高進行、日経平均は16800円台から16600円割れまで一気に急降下して「雲」の中に逆戻り。11時台には一時マイナスにもなる。上海市場もプラスで始まってマイナスに落ちる。前引けは47円高の16612円だった。

 上海市場はプラスに戻して午前の取引を終え、為替のドル円も108円90銭付近まで円安に戻す。後場の日経平均は前引けよりやや高く始まるが、1時を回る頃には一時16600円割れ。1時台、2時台前半は16600円台で値動きが小さくなる。2時に3月の景気動向指数速報値が発表され、一致指数は111.2で2月から0.5ポイント上昇し2ヵ月ぶりに改善。内閣府の基調判断は「足踏みを示している」で据え置き。先行指数は98.4で2月から0.5ポイント低下し2ヵ月連続で悪化した。再開した上海市場はプラスを維持し、ドル円も108円台後半で安定していたが、日経平均は終盤売り込まれ16600円を三たび割り込み2時51分に16536円の安値をつける。このままマイナスに沈んで終わるかとも思われたが、大引け直前にプラスに浮上して13.82円高の16579円で3日続伸した。しかしTOPIXはわずかなマイナスで引けた。

 日経平均終値は13.82円高の16579.01円。しかしTOPIX終値は-0.60の1334.30。売買高は21億株、売買代金は2兆1875億円。値上がり銘柄数は899、値下がり銘柄数は925。プラスは14業種で、その上位は機械、情報・通信、倉庫、電気機器、繊維、卸売など。マイナスは19業種で、その下位はその他金融、石油・石炭、陸運、医薬品、証券、鉄鋼など。上海総合指数は0.15%高だった。

 12日の日経平均は4日続伸。ヨーロッパ市場はロンドンだけプラス。NYダウは217ドル安で前日の222ドル高から「いってこい」。原油先物価格は46ドル台まで上がったが、他は悪材料のオンパレード。4月の財政収支は税収減で黒字幅が32%低下。文具大手のステープルズとオフィス・デポは合併を断念。34丁目のメイシーズは純利益-40%の大幅減益で通期のEPS予想を下方修正。前日の決算が悪かったディズニーは大幅安でダウの足を引っ張った。ブラジルの政治の混乱は大統領弾劾でオリンピック開催中に大統領停職中という異常事態が決定的になった。朝方の為替レートはドル円が108円台前半、ユーロ円が123円台後半。CME先物清算値は16430円。

 前日発表のトヨタ<7203>の決算は今期想定為替レートがドル円105円と渋く営業利益4割減予想だが、5000億円の自社株買いを同時発表。世界のトヨタもそういう露骨な株価対策をやる。三菱自動車<7211>は全車種で不正があったと首脳陣が頭を下げたが、深夜に日産<7201>が2000億円を出資して傘下におさめるというビッグニュースが流れた。日産が2000億円も出して三菱を助けても、それでいいのかフランス政府。

 自動車大手に注目が集まる中、日経平均は119円安の16459円で始まる。TOPIXも2ケタ安。9時21分に16400円を割り込み16374円まで下げ、16385円の日足一目均衡表の「雲」の下限を下回るが一時的。やはりトヨタは安い。三菱自動車は買い殺到で値がつかず、日産は下落。買収される方が買われ、買収する方が売られるという、いつも通りのM&A反応。三菱重工<7011>が上昇したのは「ドラ息子を養子に出して肩の荷がおりる」ということか? ソフトバンクG<9984>が軟調。為替が円安方向に反転すると日経平均はすぐ16400円台に戻し、10時台にはさらに下げ幅を圧縮して16500円を突破し、10時21分には25日移動平均線16511円を超え16538円まで上がる。上海市場はマイナスで始まり値動きにぶく低迷。11時に発表された4月の東京都心部オフィス空室率は-0.11ポイントの4.23%で3ヵ月ぶりに改善。平均賃料は28ヵ月連続上昇。日経平均は10時台にいったん16400円台半ばまで下げたが、11時台に再び16500円にタッチ。前引けは68円安の16510円で、3ケタ安にならずにほとんど25日線上で底堅い。

 上海市場はマイナス圏でも下げ幅を圧縮して午前の取引を終える。為替のドル円も108円台後半まで円安進行。後場の日経平均は前引けより高く再開して12分後にプラスにタッチする。トヨタも下げ幅を圧縮。1時30分発表の4月の全国企業倒産件数は7.1%減の695件で2ヵ月続けて前年同月を下回った。2時発表に4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)は、現状判断指数は43.5で前月比1.9ポイント低下し2ヵ月ぶりの悪化。先行判断指数は45.5で1.2ポイント低下し3ヵ月連続の悪化と良くなかった。内閣府の基調判断は「弱さがみられる」で据え置き。熊本地震の影響が出ていた。上海市場は小幅安で再開するがプラスに浮上できず横ばい。しかし日経平均は1時台は小幅マイナスだったものの、2時台に入ると為替のドル円の円安が急速に進んで109円に接近するのに合わせて、プラス圏の16600円台に上がってさらに上値追い。日足一目均衡表の「雲」の上限16607円を超えて雲の上の青空に出て、75日移動平均の16615円も超え、高値更新が続く。上海もプラスタッチ。2時25分に16658円の高値をつけ、為替の円安一服で2時台後半に一時16600円を割るものの、終値は67円高の16646円。三菱自動車は80円高でストップ高比例配分だった。

 日経平均終値は67.33円高の16646.34円、TOPIX終値は+2.97の1337.27。売買高は20億株、売買代金は2兆1713億円。値上がり銘柄数898より値下がり銘柄数925のほうが多い。プラスは23業種で、その上位は繊維、鉄鋼、鉱業、精密機器、その他製品、機械など。マイナスは10業種で、その下位はゴム製品、医薬品、不動産、サービス、海運、金属製品など。上海総合指数は午後プラスにタッチしただけで0.04%安だった。