6月3日の日経平均は3日ぶりに反発。ECB理事会は大方の予想通り金融政策現状維持だったが、ドラギ総裁の記者会見では景気、物価の見通しが慎重で追加緩和の余地を残すニュアンス。洪水が起きているヨーロッパ市場はドイツは小幅高、あとは小幅安。OPEC総会は増産の凍結も生産目標の設定もなく、内部対立のため何も決まらず大山鳴動してネズミ一匹も出ず。様子見して怖がる幽霊の正体見たり枯れ尾花。それでも原油価格は一時47ドル台に下がったが、アメリカの原油週間在庫の2週連続減少を受けて上昇し終値は49ドル台で5日ぶりのプラス。雇用統計の「オープニングアクト」5月のADP全米雇用リポートは+17.3万人で市場予測とほぼ一致。NYダウは原油先物価格に連動して午前はマイナス、午後はプラスに浮上し48ドル高で続伸。NASDAQは7日続伸で5ヵ月ぶりの高値。S&P500もプラスだった。ユーロ安が進行し朝方の為替レートはドル円が108円台後半、ユーロ円が121円台前半。CME先物清算値は16605円。
ファーストリテイリング<9983>の5月の国内ユニクロ既存店売上高は+5.9%で2ヵ月連続プラス。「創業32周年感謝祭」の効果。毎年5月にやっている。取引開始前に発表された4月の毎月勤労統計調査速報値の実質賃金は+0.6%で3ヵ月連続のプラスだが3月の+1.6%から伸びが縮小。CPI(消費者物価指数)の低下が効いていた。1人あたり平均現金給与総額は+0.3%。所定内給与は+0.2%、残業代など所定外給与は+1.0%。
日経平均は36円高の16599円で始まるが、序盤は16600円をはさんで乱高下した後に上昇。アメリカ雇用統計がまだあるが、ECB理事会、OPEC総会通過で区切りがついた上に前日の大幅安に反応した押し目買いもあり、9時16分に16700円台にタッチする。きのうはきのう、ただの1日。太陽は佐藤日銀審議委員がいなくても沈んだ。しかし影はすぐに忍び寄る。9時36分の16716円をピークに下落は始まり16630円付近まで下げる。10時台は16600~16680円の範囲で乱高下した後、急落して安値更新。為替レートが不安定なためだが、それでもプラス圏は維持。上海市場は小幅プラスで始まるが、財新の中国非製造業PMIは雇用が悪化し51.2で前月比で0.6ポイント低下し3ヵ月ぶりの低水準。それを受けて上海は急落する。円高が進行してドル円が109円を割り込むと11時台の日経平均はさらに下げ、11時11分にマイナスにタッチして16554円の安値を更新する。前引けは始値よりも安い27円高の16589円にとどまる。11時台にマイナス圏に沈んだTOPIXはかろうじてプラスだった。
上海市場は小幅でもマイナスに沈んだまま午前中の取引を終える。為替のドル円は108円台だが後場の日経平均は16600円台に戻して再開する。1時台前半までは16600~16640円のレンジで動いたが、1時台後半に為替がもう一段の円高になり、TOPIXはマイナスに落ち、日経平均もプラスの維持が危うくなる。5月の販売データが良かったファーストリテイリングだけが孤軍奮闘、日経平均を下支え。アメリカ雇用統計待ちの利益確定売りの金曜日ということもあり、値動きは為替次第。上海市場は再開直後にプラスに浮上し徐々に上昇。2時台は16600円台に戻るが16640円が天井になる。終盤までプラス圏の16600円台を維持し、終値は79円高の16642円。TOPIXもプラスで終えた。
日経平均終値は79.68円高の16642.23円、TOPIX終値は+5.42の1337.23。売買高は16億株、売買代金は1兆7695億円で薄商いに逆戻り。値上がり銘柄数は1196、値下がり銘柄数は600。プラスは24業種で、その上位は前日もプラスだった水産・農林、小売、食料品、石油・石炭、陸運、サービスなど。マイナスは9業種で、その下位は電気・ガス、その他金融、鉄鋼、電気機器、鉱業、空運など。上海総合指数は終盤上昇して0.45%高だった。
今週の星取は3勝2敗。前週末5月27日の終値16834.84円から192.61円下落して今週の取引を終えた。週間騰落は4週ぶりのマイナスになった。(編集担当:寺尾淳)