16年の車載TP世界市場規模は前年比15.9%増の3,898万パネルに

2016年07月31日 19:25

 矢野経済研究所では、車載用タッチパネル及びその部材の世界市場の調査を実施した。調査期間は2016年4月~6月、調査対象は抵抗膜方式の車載用タッチパネルメーカー、静電容量方式の車載用タッチパネルメーカー、透明導電性フィルムメーカー、カバープラスチックメーカー、カバーガラスメーカー、コントローラーIC メーカー、OCA メーカー。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。

 それによると、車載用タッチパネル(車載TP)の世界市場は、主要用途であるカーナビケーションに加え、ディスプレイオーディオやリアシートエンターテイメント等の車載ディスプレイの搭載率が上昇し、それらの表示デバイスを操作するためにTPが使用されるようになったことなどから拡大を続けており、車載TP世界市場規模(メーカー出荷数量ベース)は、2014年は前年比127.3%の 2,835万パネル、2015年は同118.6%の3,364 万パネルと2桁の成長率で推移し、2016年は同115.9%の 3,898 万パネルになると予測した。

 また、車載TPの中でも静電容量方式TPの成長は著しく、2015年の静電容量方式車載TP世界市場規模(メーカー出荷数量ベース)は前年比193.2%の 1,082万パネルと推計し、2016年は同148.0%の1,601万パネルと予測している。静電容量方式 TP はマルチタッチやジェスチャー機能などによる表示デバイスの操作性に優れているうえ、曲面や異形などの形状に加工することもできる。これらの特長が、自動車室内のデザイン性向上に向けた取組みを強化している自動車メーカーや自動車部品メーカーに高く評価されたことから、純正品を中心に静電容量方式TPの採用が拡大しているという。

 方式別に車載TP市場をみると、抵抗膜方式車載TP は、今後も中国や東南アジアなどの新興国でのカーナビゲーション向けなどを中心に堅調に推移していくと予測する。しかし、先進国では自動運転カーやコネクテッドカーなどの次世代自動車の開発進展とともに、車載機器の表示デバイスの操作性や異形化・曲面化などのデザイン性、ディスプレイの大型化に伴う低抵抗化などの多様な顧客ニーズに対応することで、静電容量方式車載 TP の需要が拡大するものと考えるとしている。

 今後の車載TPは、抵抗膜方式TPから静電容量方式TP へとシフトしていき、2018年には抵抗膜方式車載TP世界市場(メーカー出荷数量ベース)の 1,995万パネルに対して、静電容量方式車載TP世界市場(同ベース)が2,235万パネルと大きく上回っていくことになると予測している。(編集担当:慶尾六郎)