メイ英国首相の報道官が先週、英国政府と日産自動車がイングランド北東部にあるサンダーランド工場への将来的な投資をめぐり協議していると表明していた。そのレポートによれば、メイ首相と日産の社長兼最高経営責任者(CEO)カルロス・ゴーン氏との間で非常に建設的な協議をしたとされていた。
その結果を受けて日産自動車は、エグゼクティブ・コミッティ(経営会議)にて、英国サンダーランド工場で現在生産しているSUV「キャシュカイ」の次期型車に加え、次期型「エクストレイル」を同工場で生産することを決定したと発表した。
この決定は、サンダーランド工場の競争力維持を公約する英国政府の表明を受けてなされた。日産はサンダーランド工場への投資を増やし、同工場で働く7000人以上の雇用を確保、維持することとなる。
日産のサンダーランド工場は、1986年の操業開始以来、累計900万台近くの車両を生産してきた英国最大の自動車工場だ。英国で生産されているクルマの3台の内1台はサンダーランド工場製であり、同工場は同国最大の自動車工場となっている。また、サンダーランド工場で生産する車両の8割は130以上の国と地域に輸出されている。同工場では、200万台以上のキャシュカイをこの10年で生産。7000人にのぼる従業員に加え、同工場はサプライチェーンを含めると2万8000人の雇用を支えている。
日産のカルロス・ゴーンCEOは、「当社が引き続きサンダーランド工場に投資できることを嬉しく思います。同工場の従業員は、日々、高品質で価値の高いクルマを生産し、サンダーランド工場を世界でも有数の競争力の高い工場にしてくれています」と述べたという。
また、「英国政府から支援と公約を得られたことで、サンダーランド工場での次期型キャシュカイと次期型エクストレイルの生産決定につながりました。テリーザ・メイ首相の、英国の自動車産業および産業戦略全体の発展に対する強い決意に敬意を表します」とも語ったとある。
日産は日本の自動車メーカーとして早くから英国進出を果たし、創業以来このサンダーランド工場に37億ポンドを超える投資を行なってきた。(編集担当:吉田恒)