低迷する仮想通貨市場 普及続くか

2018年10月01日 06:43

画・低迷する仮想通貨市場 普及続くか

これまで爆発的にその市場を拡大してきた仮想通貨が低迷している

 これまで爆発的にその市場を拡大してきた仮想通貨が低迷している。一時期200万円台に上り詰めたBitcoinはいまや70万円台まで下落、今後の仮想通貨の牽引役として期待されてきたRippleも一時400円台を突破したが現在では60円前後にまで値を下げている。価格の低迷する仮想通貨市場では、今後も市場拡大が続くかが大きな焦点となっている。

 Bitcoinのみならず、主要な仮想通貨が軒並み価格を下げたことにいくつかの理由がある。まずは仮想通貨ブームがひと段落したことだ。2017年は仮想通貨元年とも呼ばれ、投資家のみならず一般のビジネスパーソンや主婦も仮想通貨による投資を始めた。この傾向は国内だけでなく海外でも見られ、爆発的な市場拡大と価格高騰が起こった。価格高騰が続いたため、仮想通貨を長期保有しているだけで大きな利益が得られたわけだ。しかしブームがひと段落して価格の上昇が緩やかになると、今度は利益確定のため多くの投資家が仮想通貨を売りに走った。そのため価格が大きく下落したのだ。仮想通貨はそもそも実体がないため、需要の減少によって価格が一気に下がる特徴がある。Bitcoinも他の仮想通貨も一時期よりは価格が持ち直しているが、今後も回復傾向が続くかは不透明だ。

 さらに投資家が仮想通貨への資金投入を控えている別の理由がある。それが仮想通貨に対して法定通貨の価値が上昇していることだ。国内でも円安ドル高傾向が強まっているが、これは世界的な傾向になりつつある。法定通貨が投資対象として信頼できるようになれば、投資家たちは今まで仮想通貨に回していた資金を法定通貨につぎ込むようになる。これも仮想通貨に投入される資金が減少している理由だ。

 加えて近年相次いでいる仮想通貨の盗難、ハッキングによる被害も投資家の不安をあおっている。仮想通貨が盗難に遭った場合、追跡は極めて困難で無事に資金が回収できるかも定かではない。今後は仮想通貨のセキュリティをさらに向上させるとともに、万が一盗難に遭った場合の救済策を定める必要がある。仮想通貨市場を安定的に拡大させるために、世界中でどんなアイデアが出されるかに注目だ。(編集担当:久保田雄城)