岸田文雄総理は18日開いた観光立国推進関係閣僚会議で一部地域や時間帯によっては過度の混雑やマナー違反による地域住民生活への影響や旅行者の満足度低下の懸念が生じているとして(1)地方部の観光地の魅力向上などを通じた地方部への誘客促進(2)観光客の集中による過度の混雑やマナー違反への対応を図る一環に富士山を始めとする人気観光地の入域管理や混雑運賃などによる需要の適切な管理、混雑の可視化、高速道路料金割引の見直しなどによる空いている時間や場所への分散などに政府として強力に支援していく考えを示した。
岸田総理は国交大臣から1月から9月の訪日客数は累計で1700万人を超え、足元ではコロナ前の水準をおおむね回復し、同期間の訪日外国人旅行消費額は3兆6000億円と政府目標5兆円の達成も視野に入る勢いになっているとの報告があったとしたうえで、オーバーツーリズムの未然防止や抑制に努める必要があるとして、緊急対策の2本柱を挙げた。
このうち観光客集中による過度の混雑やマナー違反への対応ではタクシー不足に対応する緊急措置、バスから地下鉄の乗換え促進、手ぶら観光促進など、交通手段や観光インフラの充実を通じた受入れ環境の整備・増強などに支援するとした。
また地方部への誘客促進では地方部の11モデル地域の高付加価値化のための集中的支援をはじめ(1)全国各地の特別な体験や期間限定の取組みと世界への発信に対する支援(2)4つの国立公園(十和田八幡平、中部山岳、大山隠岐、やんばる)への宿泊施設誘致(3)自然体験アクティビティ提供などの魅力向上とブランド化など地方部を中心に重点的に実施していくと述べた。(編集担当:森高龍二)