今回のニュースのポイント
野村ホールディングス、大和証券グループ本社、SBIホールディングスの2027年3月期第1四半期決算が出そろい、3社はいずれも最終利益が前年同期を上回りました。野村HDは当社株主に帰属する四半期純利益が39.2%増、大和証券Gは親会社株主に帰属する四半期純利益が80.6%増、SBIHDは親会社の所有者に帰属する四半期利益が75.0%増となりました。株式市場の活況などを背景に証券・市場関連事業が伸びたほか、SBIHDではPE投資事業の大幅増益が全体を押し上げました。
■ 証券・金融大手3社そろって増益
主要な証券・金融大手グループの2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)連結決算が出そろいました。野村ホールディングス(HD)、大和証券グループ本社、SBIホールディングス(HD)の大手3社はいずれも最終利益が前年同期を上回りました。
最終利益(純利益)をみると、野村HDが前年同期比39.2%増の1,456億円、大和証券Gが同80.6%増の564億円、SBIHDが同75.0%増の1,481億円となりました。ただし、3社は採用する会計基準(野村=米国基準、大和=日本基準、SBI=IFRS)や事業ポートフォリオが異なるため、利益額そのものを単純比較することはできません。特にSBIHDは証券だけでなく銀行・保険やPE(プライベートエクイティ)投資などを幅広く展開する総合金融グループであり、良好な市場環境などの追い風を受けつつも、各社の利益を押し上げた収益構造の中身にはそれぞれ独自の特徴が表れる結果となりました。
■ 野村、純利益39%増 ホールセール利益2倍超
野村HDの第1四半期決算は、金融費用控除後の収益合計が前年同期比31.2%増の6,867億円、税引前当期純利益が同32.0%増の2,115億円、当社株主に帰属する当期純利益が同39.2%増の1,456億円となりました。自己資本利益率(ROE、年率換算)も前年同期の12.0%から15.4%へ大きく上昇しています。
セグメント別の税引前利益では、主要部門がそろって収益を伸ばしました。リテール取引を担うウェルス・マネジメント部門が前年同期比83.4%増の711億円、運用残高が拡大したインベストメント・マネジメント部門が同109.0%増の450億円を計上しました。なかでも全体を牽引したのがホールセール部門で、税引前利益は同122.7%増の933億円と2倍以上に拡大しました。収益項目別でも、投資銀行業務手数料が同46.6%増、アセットマネジメント業務手数料が同74.5%増、トレーディング損益が同61.9%増と多角的な事業で高水準の伸びを見せました。
■ 大和、営業利益2倍 株式取引活発化が追い風
大和証券Gは、営業収益が前年同期比33.1%増の4,343億円、営業利益が同114.3%増の775億円、経常利益が同101.5%増の880億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同80.6%増の564億円となりました。営業利益は前年同期の2倍以上に拡大しました。
主因は、個人・法人投資家の株式取引活発化による受入手数料の急増です。株式委託手数料が前年同期比65.3%増となったほか、大型引受案件の寄与により引受け・売出し等の手数料も同91.8%増と伸びました。さらに、トレーディング損益や金融収支も好調で、人件費などの経費増加を十分吸収しました。部門別では個人向け取引を中心とするウェルスマネジメントが同88.9%増の372億円となったほか、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング部門(同354.0%増の227億円)が大幅な伸びを示し、好調な市場環境が全社に波及しました。
■ SBI、純利益75%増 PE投資が急拡大
SBIHDは、収益が前年同期比28.8%増の5,710億円、税引前利益が同149.9%増の2,258億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が同75.0%増の1,481億円となりました。
証券・銀行・保険からなる金融サービス事業も、税引前利益が同59.5%増の1,159億円と堅調に推移しましたが、今期最大の押し上げ要因となったのはPE(プライベートエクイティ)投資事業です。同事業の税引前利益は、前年同期の280億円から1,199億円(同328.0%増)へと大幅に増加しました。暗号資産事業で14億円の税引前損失を計上した一方、PE投資事業の大幅増益が全体の利益を押し上げました。株主還元では、足もとの業績を踏まえて中間配当予想を1株30円へ実質増配(前年比10円増)修正しています。
■ 市場環境追い風も「稼ぎ方」に違い
第1四半期決算を通じて浮き彫りになったのは、良好な市場環境という共通の追い風を受けつつも、各社で「利益の稼ぎ方」に明確な違いがある点です。
野村HDはホールセールを軸に主要部門がバランスよく利益を拡大し、大和証券Gは証券手数料や市場関連業務の伸びが大きく利益を押し上げました。一方、SBIHDは金融サービス事業の増益に加え、PE投資事業の利益が大幅に拡大しました。
なお、3社はいずれも通期の連結業績予想を開示していません。好調なスタートを切った証券・金融大手各社ですが、今後は金融市場の動向や金利環境の変化を見極めつつ、第1四半期の勢いを維持できるかが通期業績の焦点となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













