政府、CBRNEテロ対策を強化 専門家会議新設、「兆し」把握へ情報共有

2026年08月25日 07:31

官房長官

第3回CBRNEテロ対策会議。政府は「CBRNEテロから国民を守り抜くためのアクションプラン」の中間取りまとめを決定した(写真:首相官邸ホームページより)

今回のニュースのポイント

政府は24日、第3回CBRNEテロ対策会議を開き、「CBRNEテロから国民を守り抜くためのアクションプラン」の中間取りまとめを決定しました。テロ発生時に政府へ助言・提言する専門家会議を設置するほか、CBRNEの脅威や関連技術について情報収集・分析する関係省庁会議を新設します。テロの「兆し」を捉えるためインテリジェンス機能や情報共有も強化し、2027年3月から横浜で開催される国際園芸博覧会なども念頭に対策を進めます。

本文
 政府は24日、総理大臣官邸で第3回CBRNE(シーバーン)テロ対策会議を開催し、「CBRNEテロから国民を守り抜くためのアクションプラン」の中間取りまとめを決定しました。木原内閣官房長官は会議後の指示で、断固たる態度で平素からの備えを充実させるとともに、万が一テロが発生した場合には、人命救助のため政府一体となった初動措置が必要との認識を示しました。発生後の初動対応にとどまらず、平時からの情報収集や兆候の把握、関係機関の連携強化に包括的に取り組む方針です。

 今回取り上げられた「CBRNE」とは、Chemical(化学)、Biological(生物)、Radiological(放射性物質)、Nuclear(核)、Explosive(爆発物)の頭文字を組み合わせた用語です。CBRNEテロは、発生すれば多数の人々の生命や身体に危害が及ぶおそれがあり、用いられる手段によって異なる特性が存在します。

 会議において木原官房長官は、手段に応じた特性について言及しました。例えば、生物剤(B)や放射性物質(R)を用いた場合は被害が露見するまでに一定の時間を要する一方、爆発物(E)は時間差で複数回発生するおそれがあります。政府はこうした手段ごとの性質に応じ、的確な対処を行う必要があるとしています。

 具体的な対応策として、アクションプランでは発生時に政府へ助言や提言を行う「専門家会議」を新たに設置することを盛り込みました。加えて、テロに用いられるおそれのあるCBRNEの脅威や関連技術について情報を収集し分析するための「関係省庁会議」を新設します。発生後の専門的・技術的な判断体制と、発生前における省庁横断の分析体制の双方を強化する狙いです。

 また、プランではテロの「兆し」を逃さないためのインテリジェンス機能強化や、関係機関の間での情報集約および共有の促進を確認しました。脅威につながる情報の収集・分析や「兆し」の把握に向け、政府の情報機能を強化する方針です。

 なお、今回の決定は「中間取りまとめ」と位置付けられています。これは、科学技術の進展や国際情勢の変化に機動的に対応し、必要に応じて内容を見直すことでプランの実効性を確保するためです。国家危機管理室を中心として実施状況の定期的なフォローアップを行い、その結果を対策会議へ報告する運用を行います。

 政府は大規模な国際イベントも念頭に置いています。2027年3月からは神奈川県横浜市で「2027年国際園芸博覧会」が開催予定です。過去に国際的な注目を集める大規模イベントを狙ったテロが発生していることを踏まえ、木原官房長官は「今後、我が国がテロの標的となる可能性は否定できない」との認識を示し、関係省庁に対し、プランの着実な実施に万全を期すよう求めました。

 CBRNEテロは手段によって脅威の性質が異なり、個別具体的な知見と早期の兆候把握が求められます。専門家会議や関係省庁会議の新設により発生時・平時の双方で体制を整えるとともに、インテリジェンス機能をどう強化していくか。2027年国際園芸博覧会を控えるなか、本プランを実際の危機管理運用に落とし込み、機動的に実効性を高められるかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)