完全失業率2.4%に低下。それでも就業者は15万人減 7月の雇用で何が起きた?

2026年08月28日 12:25

画・賃上げ、8割の企業で実施。初任給は2割半増し。理由は人材確保、離職防止。

働く人々のイメージ。7月の完全失業率は2.4%に低下した一方、就業者数は前月から15万人減少した

今回のニュースのポイント

総務省が28日に発表した2026年7月の労働力調査(基本集計)では、完全失業率(季節調整値)が2.4%となり、前月から0.1ポイント低下しました。完全失業者数も季節調整値で前月比8万人減の167万人となりました。一方で、就業者数(季節調整値)は6831万人と前月から15万人減少し、非労働力人口(季節調整値)は3942万人と3万人増加しました。失業率の低下という一つの数字だけでなく、就業者や非労働力人口、さらに男女別や雇用形態、産業別の動きを整理することで、7月の雇用の動きがより具体的に見えてきます。

本文
 総務省は28日、2026年7月の労働力調査(基本集計)結果を公表しました。完全失業率(季節調整値)が前月の2.5%から2.4%へ低下した一方、就業者数(季節調整値)は前月比15万人減の6831万人となるなど、各指標で異なる動向が記録されています。

 指標の動きを季節調整値(前月比)で確認すると、就業者数が6831万人で前月から15万人減少した一方で、完全失業者数は167万人で前月から8万人(4.6%)減少しました。非労働力人口は3942万人で前月から3万人増加しています。なお、就業者のうち雇用者数は6231万人となり、前月から9万人増加しました。失業者数と就業者数が同時に減少を示す結果となっています。

 視点を原数値による前年同月比に移すと、また別の変化がみられます。7月の就業者数(原数値)は6850万人で前年同月と同数でしたが、男女別では対照的な推移となりました。男性の就業者数が3698万人で前年同月から15万人減少したのに対し、女性の就業者数は3153万人で同16万人増加しました。

 雇用者数(原数値)全体では6233万人となり、前年同月に比べ36万人増加(53カ月連続増)しました。内訳を見ると、男性の雇用者数は3313万人で前年同月から6万人増加したのに対し、女性は2920万人で29万人増加し、女性の増加幅が大きくなっています。

 役員を除く雇用者の雇用形態別(原数値、前年同月比)では、正規・非正規ともに増加が続いています。正規の職員・従業員数は前年同月比16万人増の3736万人となり、33カ月連続で増加しました。非正規の職員・従業員数は同15万人増の2143万人で、4カ月連続の増加となっています。非正規の内訳を見ると、パートが1040万人(21万人増)、労働者派遣事業所の派遣社員が160万人(7万人増)と増加した一方、アルバイトは472万人(10万人減)、契約社員は271万人(5万人減)と減少しており、雇用形態の内部でも推移に違いが出ています。

 産業別就業者数(原数値、前年同月比)でも動向が分かれました。前年同月から増加した主な産業は、生活関連サービス業・娯楽業が13万人増(239万人)、医療・福祉が9万人増(964万人)、運輸業・郵便業が8万人増(345万人)、サービス業(他に分類されないもの)が6万人増(483万人)でした。一方、減少した主な産業は、卸売業・小売業が15万人減(1028万人)、学術研究・専門・技術サービス業が8万人減(258万人)、農業・林業が7万人減(175万人)、製造業が3万人減(1026万人)となりました。

 原数値での完全失業者数は169万人で前年同月と同数でした。求職理由別の内訳(原数値)をみると、「自発的な離職(自己都合)」が76万人で前年同月比5万人増加し、「勤め先や事業の都合による離職」は21万人で同1万人増加しました。一方で「新たに求職」は43万人で同3万人減少しており、そのうち「収入を得る必要が生じたから」による新求職は20万人で同8万人減少しました。

 7月の労働市場は、完全失業率が2.4%へ低下する一方で、季節調整値の就業者数が前月比で15万人減少しました。前年同月との比較では就業者総数が横ばいとなるなかで、女性雇用者の29万人増や正規・非正規双方の増加、さらに産業や離職理由ごとの増減など、各区分で多様な動きが並行して生じています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)