今回のニュースのポイント
パナソニックと東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)は、東京電力EPが提供する家庭向けデマンドレスポンス(DR)サービス「エコ・省エネチャレンジ」と、パナソニックのDR機能搭載冷蔵庫を10月1日から連携させると発表した。東京電力EPからのDR要請を受信し、冷蔵庫が自動的に運転パターンを変更する仕組み。再生可能エネルギーなどの電力が余る時間帯には、通常は夜間などに行う霜取り運転をその時間帯へシフト(上げDR)。電力需給がひっ迫する時間帯には事前に庫内を冷やし、対象時間帯のコンプレッサー運転を抑える(下げDR)。利用者が要請のたびに手動で操作する必要はない。
本文
パナソニックと東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)は、パナソニックのDR(デマンドレスポンス)機能搭載冷蔵庫と、東京電力EPの家庭向けDRサービス「エコ・省エネチャレンジ」を、10月1日から自動連携させると発表しました。
日常的に稼働する家庭用冷蔵庫が、東京電力EPからのDR要請に基づいて自動で運転を変更し、電力消費のタイミングを調整する取り組みです。
■「電気が余る時間」に冷蔵庫が霜取り
今回の仕組みの特徴は、単に電力消費を抑える「節電」にとどまらず、電力が余る時間帯に消費を促す「上げDR」に対応している点です。
太陽光発電などの再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、発電量が需要を上回る時間帯が発生しています。東京電力EPから余剰電力を活用するDR要請が出されると、冷蔵庫は通常夜間などに実施している「霜取り運転」を要請時間帯へシフトさせます。電力の使用量を単純に減らすのではなく、使う時間帯をずらす(上げDR)ことで、再生可能エネルギーの活用に協力します。
■電力ひっ迫時は「事前に冷却」して運転を抑制
一方、電力需給がひっ迫する時間帯には「下げDR」を実施します。
要請を受けると、冷蔵庫は事前に庫内を冷却(予冷)しておき、DR要請の時間帯に入るとコンプレッサーの運転を抑えます。庫内を一時的に停止させるのではなく、事前冷却によって食品の保存性能や使い勝手への影響を抑えながら、ピーク時の消費電力を低減させます。
■クラウド経由で自動制御、アプリやメロディーで通知
この自動運転は、東京電力EPから出されるDR要請に基づき、パナソニックのクラウドサーバーを経由して対象の冷蔵庫へ制御信号が送られることで実行されます。
冷蔵庫は信号を受信すると準備運転を行い、指定の時間帯にDR自動運転を実施します。DR運転の開始や終了時には、専用アプリへの通知のほか、冷蔵庫本体からもメロディーで利用者に知らせる仕組みです。利用者はDR要請のたびに冷蔵庫本体やアプリで設定変更を行う必要はありません。
■家庭全体の実績に応じポイント獲得
利用者がこのサービスを活用するには、東京電力EPの「エコ・省エネチャレンジ」に加入し、対象のパナソニック製冷蔵庫を連携設定する必要があります。
参加特典として、DR要請に応じた家庭全体での節電量または負荷創出量(指定時間帯への電力シフト量)の実績に応じて、ポイントを獲得できます。なお、ポイントは冷蔵庫単体の稼働実績に対して直接付与されるのではなく、あくまで家庭全体での達成実績に基づき計算されます。
■共同実証では86%が「他のDR行動」へ波及
本格サービス開始に先立ち両社が行った共同実証実験の回答結果によると、参加者の86%が「アプリや冷蔵庫からのDRお知らせをきっかけに、エアコンや照明など他のDR行動(節電や電力シフト)につながった」と回答しました。また、96%が「今後もサービスを利用したい」と回答したとしています。
従来の家庭向けDRは、利用者が手動でエアコンの温度設定を変更したり、照明を消灯したりする行動が中心でした。今回の連携により、常時稼働する生活家電が電力需給に合わせて自動で「いつ電気を使うか」を制御する環境が整うことになります。両社は10月1日からのサービス開始を通じ、再生可能エネルギーの有効活用と電力の安定供給への貢献を目指すとしています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













