今回のニュースのポイント
デジタル庁が取りまとめた最新の定期報告により、全25府省庁で生成AIシステムの利用が始まるなか、政府職員向け案件224件のうち約4割に当たる90件で「機密性2情報」や「個人情報」を取り扱っていることが分かりました。情報入力時のプロンプト利用や、生成AIによる情報参照などを通じ、実務での利用が進んでいます。2026年3月末時点までにリスクケースの発生事例は「なし」と報告されており、今後は利用範囲の拡大に応じた運用の継続的な確認が焦点となります。
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行政機関における生成AIの活用が検証段階から本格的な業務導入へと移行するなか、政府が保有する各種情報をどのような形態でAIに処理させるかが新たな課題となっています。デジタル庁が公開した「各府省庁生成AIシステム定期報告概要(令和7年度第4回)」によると、全25府省庁で生成AIシステムがすでに利用開始されており、そのうち20府省庁では府省庁内全体で利用が開始されています。
今回の報告において特に注目されるのが、取り扱うデータの機密性です。政府職員を利用対象とする生成AIシステム224件(有効回答ベース)のうち、「機密性2情報」または「個人情報」を取り扱う案件は90件に達し、全体の約40%を占めていることが判明しました。
資料では、機密性2情報や個人情報の取り扱い方法として、利用者が指示文(プロンプト)に入力する案件が42件、情報を参照して回答を生成する案件が46件、機密性2情報を生成AIの追加学習に用いる案件が1件と整理されています。文書要約や調査・リサーチ、資料作成などの実用化に伴い、業務データを参照・処理するニーズが高まっている実態がうかがえます。
こうした運用の拡大に伴い、懸念されるのがセキュリティや誤出力へのリスク対応です。同報告によると、2026年3月末時点までにリスクケースの発生事例は「なし」とされています。
ただし、発生事例がない実績は、将来的なリスクの全無化を意味するものではありません。政府内で生成AIの利用範囲が広がるにつれ、運用管理を継続的に確認する重要性も増しています。
生成AIの活用論議は、「導入すべきか否か」という初期段階から、「どの情報資産までを連携させ、どのようにガバナンスと安全性を確保するか」という実践的な運用段階へと移っています。利便性の向上と情報保護の両立に向け、管理体制の継続的な確認と評価が求められています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













