生活保護の申請、8月は2.3%増の2万1181件 受給者数は1%減、厚労省調査

2026年11月05日 07:01

今回のニュースのポイント

厚生労働省が公表した2026年8月分の被保護者調査によりますと、生活保護の申請件数は2万1,181件となり、前年同月比で2.3%増加しました。一方で、被保護実人員数は196万5,132人で同1.0%減少し、被保護実世帯数も164万1,451世帯で同0.2%減少しました。保護停止中を除く世帯類型別では、高齢者世帯が90万635世帯と全体の55.2%を占めています。申請件数が増加する一方で受給規模が縮小するなど、指標間で異なる動向が示されています。

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 厚生労働省は2026年11月4日、生活保護制度の利用状況をまとめた「被保護者調査」の2026年8月分概数を公表しました。同月の生活保護の申請件数は2万1,181件となり、前年同月比で2.3%増加しました。一方で、保護停止中の人員を含む被保護実人員数は196万5,132人となり、前年同月比で1.0%減少しました。また、被保護実世帯数も164万1,451世帯となり、前年同月比で0.2%減少しています。新規の受給窓口となる申請件数が増加した一方で、受給者全体の規模を示す実人員数や実世帯数は前年実績を下回っており、指標ごとに異なる動きが確認される結果となりました。

 生活保護の申請件数について詳しく見ますと、2026年8月は2万1,181件を記録し、前年同月の2万703件と比べて478件(2.3%)増加しました。前年同月比では増加した一方、直前の2026年7月の2万5,236件と比較すると4,055件減少しました。前年同月比と前月比では増減の方向が異なっており、今回の単月の結果だけで申請件数の継続的な増加や減少を判断することはできません。申請件数の推移を正確に捉えるためには、単月の変動にとどまらず、今後の月次データの推移を慎重に確認していく必要があります。

 受給者全体の推移を見ますと、2026年8月の被保護実人員数は196万5,132人となり、前年同月の198万5,720人から2万588人(1.0%)減少しました。前月の196万9,655人と比べても4,523人減少しています。人口百人に対する受給者の割合を示す保護率は1.60%となり、前年同月の1.61%からわずかに低下しました。また、被保護実世帯数は164万1,451世帯となり、前年同月の164万5,123世帯から3,672世帯(0.2%)減少しました。実人員数が1.0%減少したのに対し、世帯数の減少率は0.2%にとどまっており、人数と世帯数で減少ペースに違いが生じています。なお、これらの数値には一時的な保護停止中の対象も含まれています。

 生活保護の開始状況を示す保護開始世帯数は、2026年8月は1万6,849世帯となり、前年同月の1万6,723世帯から126世帯(0.8%)増加しました。こちらも申請件数と同様に前年同月比では増加したものの、前月の2万170世帯との比較では3,321世帯減少しています。統計の性質上、各自治体の福祉事務所において申請を受理してから資産や収入の調査を経て保護の可否を決定するまでには一定の審査期間を要します。そのため、ある月の申請件数と保護開始世帯数は同一の対象者を指すものではなく、両者の数値を単純に割り算して保護の承認率や認定率を導き出すことは適切ではありません。申請件数と保護開始世帯数は集計対象や計上時点が異なるため、それぞれの統計として区別して把握する必要があります。

 保護停止中を除いた被保護世帯の総数163万2,557世帯を対象とした世帯類型別の内訳を見ますと、高齢者世帯が全体の半数以上を占める構造が続いています。高齢者世帯は90万635世帯となり、全体の55.2%を占めました。このうち単身世帯が84万2,484世帯(構成割合51.6%)と大半を占め、2人以上の高齢者世帯は5万8,151世帯(同3.6%)でした。高齢者世帯全体では前年同月比0.2%の微減ですが、単身の高齢者世帯に限ると805世帯(0.1%)増加しています。その他の類型では、母子世帯が5万4,679世帯(同3.3%)で前年同月比6.6%減少した一方、障害者・傷病者世帯は41万8,400世帯(同25.6%)で同1.0%増加しました。その他の世帯は25万8,843世帯(同15.9%)で0.7%減少しています。

 2026年8月の被保護者調査では、申請件数が前年同月比で増加する一方で、受給者数および受給世帯数は前年同月比で減少傾向を示すなど、指標ごとに方向性が分かれる推移となりました。生活保護制度の利用状況を把握するには、申請件数や保護開始世帯数と、一定時点の被保護実人員数・被保護実世帯数を区別し、それぞれの推移を確認することが重要です。世帯構成においても高齢の単身世帯や障害者・傷病者世帯の比率が高い状態が定着しており、世帯類型によっても異なる傾向が確認されます。生活保護の申請動向や受給規模の変化については、経済環境や社会情勢などの単一の要因に結びつけることなく、公的扶助制度全体の運用状況や世帯構造の推移を踏まえた客観的な統計分析を継続していくことが求められます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)