今回のニュースのポイント
王子ホールディングスは2026年11月6日、2027年3月期通期の営業利益予想を600億円から450億円へ25%引き下げました。海外パルプ市況の回復鈍化や原燃料価格の高騰を見込んでいます。一方、4~9月中間期の営業利益は155億円と会社予想を29.4%上回りましたが、前年同期比では7.2%減少しました。段ボールなどの生活産業資材と機能材では収益改善が進む一方、資源環境ビジネスと印刷情報メディアが苦戦しています。通期の最終利益予想350億円と年間配当予想36円は据え置きました。
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王子ホールディングスは2026年11月6日、2027年3月期通期の連結営業利益予想を従来の600億円から450億円へと25.0%下方修正すると発表しました。引き下げ幅は150億円に達し、経常利益予想も450億円から300億円へ33.3%引き下げています。海外パルプ市況の回復鈍化や現地でのコスト高の継続に加え、中東情勢の長期化に伴う国内の原燃料価格高騰が収益を圧迫する見通しです。一方、同日発表された2026年4~9月期中間連結決算の営業利益は155億円(155億33百万円)となり、会社従来予想の120億円を29.4%上回って着地しました。ただし、前年同期の167億円(167億31百万円)との比較では7.2%減益となっており、中間期の予想超過と通期の下方修正が対比される決算内容となりました。
当中間期の連結業績実績は、売上高が前年同期比4.7%増の9,580億円(9,579億62百万円)、営業利益が同7.2%減の155億円、経常利益が同30.8%増の115億円(114億96百万円)、親会社株主に帰属する中間純利益が同7.6%増の117億円(117億47百万円)となりました。国内での段ボールや白板紙、洋紙などの価格改定効果に加え、海外企業の買収・新規連結や円安に伴う換算差が増収要因となりました。しかし営業利益面では、原材料価格、物流費、人件費の上昇が重荷となり、前年同期を下回る結果となりました。これに対して経常利益は、外貨建債権債務の評価替えに伴う49億円の為替差益などによって大幅に増加しました。本業の利益が減少する一方、営業外損益が経常利益を押し上げた構図となっています。
セグメント別では、包装資材や高付加価値品を手がける部門で収益改善が進みました。生活産業資材事業の売上高は前年同期比3.6%増の4,788億円、営業利益は同208.8%増の160億円と約3.1倍に急拡大しました。国内では段ボールや白板紙の価格改定効果に加え、王子ネピアの生産体制再構築が寄与し、海外でも東南アジアでの段ボール拡販や古紙安、Oji Fibre Solutionsの原紙事業撤退に伴う構造改革効果が発現しました。また、機能材事業も売上高が同2.9%増の1,189億円、営業利益が同54.5%増の83億円と大幅な増益を達成しました。国内での通販向けヒートシール紙や非フッ素耐油紙の拡販と価格改定が進んだほか、海外では米国関税政策による数量減少を原材料安やコスト削減で補いました。同社が事業ポートフォリオ転換を進めるなか、両事業では収益改善が進んでいます。
これに対して、資源環境ビジネスと印刷情報メディア事業は厳しい逆風に直面しました。資源環境ビジネスは、売上高が前年同期比8.4%増の2,070億円となったものの、営業利益は同87.4%減の7億円と急縮小しました。国内ではパルプ市況回復で増収ながら原材料高で減益となり、海外でも数量増等で増収を確保した一方、ブラジルCenibra社の大規模定期点検や為替影響が重なり減益となりました。さらに、印刷情報メディア事業は需要減少が続くなかで売上高が同3.3%減の1,317億円にとどまり、前年同期の35億円の黒字から16億円の営業赤字へと転落しました。チップなどの原材料高に加え、中国の江蘇王子製紙での市況悪化に伴う価格下落が響きました。ただし、資源環境ビジネス全体としては営業黒字を維持しています。
地域別の営業利益動向をみると、国内と海外の明暗が一段と鮮明です。国内事業の営業利益は前年同期の181億円から199億円へと18億円増加したのに対し、海外事業は前年同期の14億円の営業損失から44億円の営業損失へと赤字幅が30億円拡大しました。海外事業の採算悪化が連結営業利益を押し下げた格好です。同社は「中期経営計画2027」に基づき、低収益事業の撤退や生産拠点の再編を進めています。2025年度のOji Fibre Solutions段ボール原紙事業撤退に続き、2026年3月のWalki社英国工場閉鎖、6月のOji Fibre Solutions板紙加工工場閉鎖、9月のGSPP社ミャンマー事業売却など、既存の構造改革策を順次実施しています。
通期の連結業績予想では、営業利益を450億円、経常利益を300億円へ引き下げた一方、親会社株主に帰属する当期純利益予想は350億円を据え置きました。中間期には投資有価証券売却益108億円などを特別利益に計上しました。同社は通期の最終利益予想について、保有株式の売却などによって減益幅を圧縮する方針を示しています。年間配当予想は中間18円、期末18円の合計36円を維持し、ネットD/Eレシオも9月末時点で0.8倍と財務目標の範囲内にあります。通期営業利益450億円は前期実績(346億円)比で30.1%の増益予想ですが、下期はパルプ市況の停滞や原燃料高が重荷となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













