経産省、中部電力を3カ月の補助金交付等停止・指名停止 浜岡原発の虚偽説明、業務改善命令に続く措置

2026年11月06日 18:27

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経産省は2026年11月6日、浜岡原発の基準地震動策定を巡る不適切行為を受け、中部電力に対して3カ月間の補助金交付等停止と契約に係る指名停止措置を実施した。(資料写真)

今回のニュースのポイント

経済産業省は2026年11月6日、中部電力に対し3カ月間の補助金交付等停止および契約に係る指名停止措置を実施しました。期間は2027年2月5日まで。浜岡原発3・4号機の基準地震動策定において、代表波選定のバックデータを事後作成し原子力規制委員会へ虚偽説明を行ったことなどが理由です。同日午前に発出された電気事業法に基づく業務改善計画の提出を求める業務改善命令とは異なる、省内要領に基づく行政措置です。

本文
 経済産業省は2026年11月6日、中部電力株式会社に対し、補助金交付等の停止措置および契約に係る指名停止措置を実施したと発表しました。停止期間は同日から2027年2月5日までの3カ月間です。浜岡原子力発電所3・4号機の新規制基準適合性審査において、耐震評価の根幹となる基準地震動の策定を巡り、虚偽の説明や事後的なバックデータ作成などの不適切行為を繰り返していたことが処分理由とされました。経産省は同日、電気事業法に基づき同社へ業務改善命令を発出していますが、今回の措置は省所管の補助金交付や契約手続きを対象とした別個の行政処分となります。

 今回の処分理由となった事案は、浜岡原発3・4号機の審査において、地震動評価に用いる「代表波」の選定を巡り実態と異なる対応を行っていたものです。中部電力は、定量的な基準によらない人為的手法等により代表波を設定していたにもかかわらず、実際には行っていない選定方法について証跡とするため、事後的にバックデータを作成していました。さらに、その一部を原子力規制委員会の適合性審査会合に提示して虚偽の説明を行ったほか、原子力規制庁からの照会に対しても事後的にバックデータを作成するなどの行為に及んでいました。経産省は、原発の安全性を確認するための規制プロセスで不適切行為が繰り返されたことは、原子力利用の大前提である安全性に対する国民の信頼を損なう極めて重大な問題であると厳しく指摘しています。

 今回の措置の根拠は、「経済産業省所管補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止等措置要領」第3条第1項および別表第二第6号です。今回の措置は、経済産業省所管の補助金交付等の停止と、契約に係る指名停止を内容とするものです。電力供給や企業活動全般の停止を命じるものではなく、原子炉の運転そのものを止める運転停止命令でもありません。同日午前に発出された業務改善計画の提出や組織改革を求める電気事業法に基づく命令と、省内の要領に基づく今回の指名停止措置は、適用法令や対象範囲が明確に区分されています。

 中部電力を巡っては、2019年と2021年に内部通報があったものの、適切な是正につながらなかった経緯を経て、2026年1月に問題が公表され、9月には首脳陣が退任する経営刷新に至りました。経産省は10月30日の弁明の機会付与を経て11月6日に業務改善計画の提出を求める命令を下した直後、重ねて本件の停止措置に踏み切った形です。同社には11月30日までに法令遵守体制の再構築や内部通報制度の抜本的見直しを含む業務改善計画の提出が義務付けられており、相次ぐ行政措置を通じて、組織風土とガバナンスの根底からの再生に向けた実行力が厳格に問われています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)