多様化するテレビ業界、共創型ドラマに注目

2013年05月13日 19:48

 現在、テレビ業界はインターネット経由で配信された動画やアプリなどが楽しめる「スマートテレビ」などの普及を見据え、コンテンツ制作のノウハウや、コンテンツを活用したビジネスモデルの開発が急務となっている。

 そのような状況下において、関西テレビ、コクーン、アソビシステム、博報堂DYメディアパートナーズは、共同でプロダクトプレイスメントやソーシャルメディア、ECなどを活用した、企業・視聴者が参加して完成する共創型ドラマ「Co-Creationドラマ(以下Cドラ)」を制作し、5月2日よりインターネットを通じて配信している。

 「Cドラ」では、基本となるシナリオに大きな変更を加えず、ドラマ映像を複数回更新しながら配信。初回は、家具・家電・調度品・小物など、劇中で登場する商品が視聴者に特定されない映像を配信している。その後に協賛企業の募集を開始し、協賛決定した企業の商品が登場する映像を新たに制作し再配信するという。協賛企業は更新された映像を通じて自社商品をPRすることが可能でまた、初回の配信後、特設サイトにて更新後のドラマに追加で登場する出演者を視聴者からオーディション形式で募集する。さらにツイッターを通じて視聴者から寄せられたシナリオに関するコメントを更新後のシナリオに反映させる試みも行う予定だ。

 視聴者はドラマ自体を楽しむだけではなく、更新の前後で商品・登場人物・シナリオが変化する過程も楽しむことができる。また、視聴のみならず特設サイトを通じて出演者が着用している衣服を購入することも可能となっているようだ。

 なお、「Cドラ」第一弾として「Love×Stories」を配信している。ドラマの内容は、20代の男女による恋愛がテーマだという。

 インターネットの普及により、様々な形での視聴者参加型の取り組みが数多く行われている。オンタイムの意見を取り入れていくことで、ドラマもよりリアリティを追求することができ、楽しみ方もさらに多様化していくことが予測されるだろう。今後の展開に期待したい。(編集担当:宮園奈美)