8月第3週（8月12日～16日）は5日間の取引。旧暦のお盆の期間中なので夏季休業になる企業が多いが、証券取引所は平常通り営業。今週を超える薄商いになるのか。それとも5月の連休の谷間のように休暇中の個人投資家が参入して少しは盛り上がるか。海外では15日にインド・ムンバイ市場（独立記念日）と韓国市場（光復節）が休業する。
来週の国内の経済指標は、12日は4～6月期の四半期実質国内総生産（GDP）速報値、7月の国内企業物価指数、6月の鉱工業生産指数確報値が、13日は6月の機械受注が発表され、14～16日はお盆休みで主要なものは出ない。13日には日銀の金融政策決定会合の議事要旨（7月分）が発表される。12日の四半期GDP速報値が最も重要な指標になるだろう。
主要企業の決算発表は終盤で、14日までにほぼ終わる。12日は明治HD＜2269＞、大王製紙＜3880＞、リプロセル＜4978＞、千代田化工建設＜6366＞、佐世保重工＜7007＞、ニプロ＜8086＞、ソニーFH＜8729＞、13日はユーグレナ＜2931＞、北越紀州製紙＜3865＞、電通＜4324＞、デジタルガレージ＜4819＞、東京機械製作所＜6335＞、マブチモーター＜6592＞、アイフル＜8515＞、学研HD＜9470＞、東映＜9605＞、14日はグリー＜3632＞、東燃ゼネラル石油＜5012＞、リブセンス＜6054＞、15日は主要企業はなく、16日はドン・キホーテ＜7532＞が予定している。
海外の経済指標は、12日はアメリカの7月の月次財政収支、13日はドイツの7月の消費者物価指数（CPI）改定値、8月のZEW景況感調査（期待指数）、英国の7月の消費者物価指数（CPI）、卸売物価指数（PPI）、小売物価指数（RPI）、ユーロ圏の6月の鉱工業生産、8月のZEW景況感調査、アメリカの7月の小売売上高、輸入物価指数、6月の企業在庫、14日はフランスの4～6月期の四半期国内総生産（GDP）速報値、7月の消費者物価指数、ドイツの4～6月期の四半期国内総生産（GDP）速報値、英国の7月の失業率、ユーロ圏の4～6月期の四半期域内総生産（GDP）速報値、アメリカの7月の卸売物価指数（PPI）、15日はアメリカの7月の消費者物価指数（CPI）、8月のNY連銀製造業景気指数、6月の対米証券投資、7月の鉱工業生産、設備稼働率、8月のNAHB住宅市場指数、フィラデルフィア連銀製造業景気指数、16日はユーロ圏の6月の経常収支、貿易収支、7月の消費者物価指数（HICP）改定値、アメリカの4～6月期四半期非農業部門労働生産性速報値、7月の住宅着工件数、建設許可件数、8月のミシガン大学消費者態度指数速報値が、それぞれ発表される。
アメリカの主要企業の決算発表は、14日はメーシーズ、15日はアプライド・マテリアルズ、シスコシステムズ、エスティ・ローダー、ウォルマート、16日はシアーズが行う予定になっている。
8月になってやたらに目立つもの。それは日経平均の「ないとこ引け」。1日は高値引け、2日も高値引け、今週は5日は大引け直前に最安値が出て、6日は高値引け、7日は安値引け、8日は大引け21分前に最安値になり、9日はないとこ引けとは無縁だったが前場に200円を超える急落をみせていた。その間、日中の変動幅は3ケタがずっと続いていて、夏枯れで細る売買とは対照的に、ボラティリティは派手に動いている。
「ないとこ引け」は本来、めったに起こらないもの。そもそも後場に日経平均株価が大きく動くこと自体、珍しいことだった。かつて株式市場では売買の大部分は前場、特に午前9時台に集中し、後場は閑散として値動きがなくなり「昼寝できる」と言われた時代もあったが、今どきは昼寝なんかしていたら寝首をかかれて討ち死してしまう。
大引け直前に砂山を築いては翌朝あっさり崩し、あるいは穴を掘っては翌朝急いで埋めるような動きが毎日繰り返されると、火をつけては自分で消す「マッチポンプ」のような作為的なものを感じてしまう。7日、8日、9日に起きたような根拠がよくわからない急落に直面すると、葉巻をくわえて椅子にふんぞり返った「闇の支配者」が株価モニターを眺めながら、「日本経済よ、地獄へ堕ちよ」と高笑いするB級映画のシーンすら想像させられた。
それが悪漢かどうかはともかく、「終値をできるだけ高くしたい、安くしたい」という終値基準の意思が働いているとすれば、期末など特定の日の年金基金やファンド筋が思い浮かぶが、日経新聞の記事は「レバレッジ型の日経225連動ETF」に容疑をかけていた。大引け際に日経平均先物を2倍トレードして数字を合わせざるを得ないからだと推理していたが、このタイプのETFは7月や8月の新規設定ではなく、昨年の4月からある。
