みずほ<8411>は6年ぶりの増配観測が出て2円高。三菱UFJ<8306>は7円安。三井住友FG<8316>は1円高。野村HD<8604>は4~12月期の純利益が約6倍の1523億円と8年ぶりの高水準でも14円安。トヨタ<7203>は76円安。日産<7201>はルノーと開発・生産を一体化検討と報じられたが7円安だった。中小型液晶の需要が回復しているシャープ<6753>は、今期の営業利益が1000億円の黒字になるという業績観測記事が出たが8円安だった。
日立<6501>は事業構造改革の効果が出て今期の営業利益が5100億円に達し、23年ぶりに最高益を更新するという業績観測が出たが2円安。東芝<6502>はテレビ事業の採算が好転して4~12月期決算の営業利益は56%増でも、経常利益が市場予測を下回った上に通期見通しも据え置きでは印象が悪く35円安で値下がり率10位。コニカミノルタ<4902>の4~12月期の営業利益は43.6%増の389億円。通期業績見通しは据え置いたが上限2000万株、200億円の自社株買いを発表して71円高と買われた。
資材費と人件費の高騰で「利益なき繁忙」に陥っている大手ゼネコンだが、清水建設<1803>は4~12月期の営業利益6割増という業績観測で10円高。建機のコマツ<6301>は48円高で4日続伸。後場に決算発表したJFEHD<5411>は通期の営業利益見通しを下方修正し75円安。前日の新日鐵住金<5401>の決算が良かったので余計に悪印象。佐世保重工<7007>は4~12月期決算の営業損益は赤字でも、年間の新造船引き渡し数を6隻から8隻に増やす造船増産方針を発表し13円高で値上がり率8位。海運は日本郵船<9101>が後場に決算を発表し、通期の経常利益が前期の2.6倍の見通しでも4円安。商船三井<9104>は通期営業利益見通しを70億円下方修正して3円安になった。
第一三共<4568>は4~12月期の最終利益が大幅増益で進捗率は95.3%に達し、通期見通し据え置きでも46円高。伊藤忠商事<8001>の4~12月期は純利益が15%増で2年ぶりに最高益を更新するという業績観測で7円高。三越伊勢丹HD<3099>の4~12月期の最終利益は12.2%増の196億円で2円高。任天堂<7974>は前場は高かったが175円安。スクエニHD<9684>は132円高で売買代金2位と人気が続く。「STAP細胞」のニュースで前日も買われたバイオ関連の新日本科学<2395>は一時ストップ高の278円高の大幅高で値上がり率2位、売買高11位、売買代金3位に入った。
この日の主役は富士通<6702>とNEC<6701>。昔から電話交換機、大型汎用コンピュータ、パソコン、ソフトウェア、データ通信、半導体、携帯電話などで張りあってきた宿命のライバルだが、近年は赤字決算の苦境にあえいでいた。この日はどちらも株価の値上がり率が10%を超え、仲良く昨年来高値を更新して終値は富士通が66円高で値上がり率3位、売買高6位、売買代金10位、NECが29円高で値上がり率7位、売買高2位、売買代金9位だった。しかし前日発表した4~12月期決算の内容は対照的で、370億円の営業黒字を計上し最終損益が黒字転換した富士通に対し、NECは携帯基地局需要の低迷などで最終利益は150億円の赤字。富士通のほうは国内1位のITサービス事業が好調で10~12月期の営業利益が市場予測を上回り、通期の売上高、経常利益の見通しを上方修正した上にUBSがレーティングを引き上げ、株価は大幅上昇した。NECのほうはネット接続サービスのビッグローブの投資ファンドへの売却が決まり、「マイナンバー」など社会インフラへの選択と集中を進める方向で、コンピュータ保守会社のNECフィールディング<2322>をTOBで完全子会社化する事業再編が好感されて上昇した。そのNECフィールディングの株価はストップ高比例配分の300円高で値上がり率1位になった。(編集担当:寺尾淳)