【今週の展望】海外要因で動き、国内の材料では動かない傾向

2014年05月18日 20:11

 アメリカ主要企業の決算発表は、19日はアーバン・アウトフィッターズ、20日はTJX、セールスフォース・ドットコム、ホーム・デポ、21日はロウズ、ターゲット、ティファニー、22日はHP、ダラー・ツリー、GAPが発表する予定。

 前週の日経平均は為替、特にドル円レートに左右された週だった。101円台の12日は日経平均も下落し、102円台に乗せた13日は一転して275円高。102円台を保った14日は19円安でもTOPIXは高値引けで、101円台に下落した15日、16日は下落幅が2日間合計で300円を超えた。「泣くも笑うも為替次第」だったが、ドル安円高の背景にはアメリカの長期金利の低下があり、12日は2.65%を超えていたのが、15日は2.5%を割り込んだ。まるで、どこかの国で経済上、地政学上の由々しい出来事が起きて当面のリスクを回避する動きが出たかのように米国債が買い進まれ、リスクオフで買われる動きはヨーロッパ主要国や日本の国債にも波及した。

 アメリカで良好な経済指標が出て足元の景気がどんなに良くても、NY市場は別のデータをとりあげて景気の先行きへの「漠然とした不安」をあおって上値が抑えられ、株式から債券への資金シフトが止まらない。こんな調子では為替はなかなかドル高円安には戻らず、日本の株価は7日の424円安以後の低迷から脱することができなかった。

 残念ながら、今週もそんな状況に大して変化は起こりそうにない。20~21日に日銀の金融政策決定会合があるが、4月7~8日の前々回は追加緩和期待でそれなりに先回り買いが入り日経平均が上昇する局面が見られたが、4月30日の前回はそれすらも見られなくなっていた。

 5月14日に発表された「ESPフォーキャスト調査」(日本経済研究センター)によると、回答したエコノミスト38名のうち17名(44.7%)が次回の金融政策の変更時期を「7月」と回答して最多だった。「6月」は3名しかいなかった。しかも「日銀の次回の金融政策の変更は緩和になる」と予想する回答が4月調査の37名から33名に減り、白紙の回答が増加している。経済予測の専門家のエコノミストの間でも、日銀は消費増税後の景気刺激策として本当に追加緩和を実施するのか、判断しかねている人が増えているらしい。

 同調査の4~6月期の実質経済成長率予測の平均は4月調査の-4.04%から-3.80%に〃改善〃し、7~9月期のそれは+2.25%で、景気は真夏にV字回復するという見通し。4月時点と比べ「日銀が追加緩和しなくても乗り切れるのではないか」という見方がやや優勢になっていると解釈できる。専門家の大勢が「7月が有力だが、追加緩和なしもありうる」という予想では5月実施など、とてもありえない。もしやればビッグサプライズになり市場関係者は大喜びで日経平均は15000円に迫るかもしれないが、政策決定の根拠になるデータがまだ十分揃わないあために「株価を気にする官邸サイドの意向か?」などと黒田総裁は痛くもない腹を探られ、日銀の政策を正面切って批判するエコノミストも現れるだろう。日銀にとってはリスクが大きすぎる。

 そのため、今週の日銀会合は「現状維持」が鉄板のコンセンサスで、「変に期待しても疲れるだけだ」と、先回りするような事前の株価の変化も現れないと思われる。期待しなければ当然、失望売りも出ない。だが、そんな白け気味の傾向は日銀会合の結果にどとまらず、前週あたりから国内の株価材料全般についても言えるようになっている。