【日経平均】中国PMIの好転で日本株が点火し295円高

2014年05月22日 20:16

 自動車大手は好調。トヨタ<7203>は106円高、富士重工<7270>は123円高で3ケタ上昇。ホンダ<7267>は66円高、マツダ<7261>は16円高。スズキ<7269>は野村證券がレーティングを引き上げて113円高。インドの政権交代の好影響が期待されている。電機大手も順調で、日立<6501>は17円高、ソニー<6758>は31円高、パナソニック<6752>は20円高、シャープ<6753>は6円高。NEC<6701>は7円高。富士通<6702>は三菱UFJ証券が目標株価を引き上げて8円高で年初来高値を更新した。

 カシオ計算機<6952>は52円高で年初来高値更新。真空技術のアルバック<6728>は2015年6月期の純現金収支が50億円増という業績観測で39円高。売買代金14位のキヤノン<7751>は24円高と堅調。ベアリングのミネベア<6479>は今期、電子機器部門の営業利益が19%増という業績観測が出て27円高で年初来高値更新。エアバッグ、シートベルトのタカタ<7312>が152円高で値上がり率6位に入り、タイヤの住友ゴム工業<5110>は51円高だった。

 前日に続き資源関連銘柄が人気で住友金属鉱山<5713>は19円高、三井金属<5706>は10円高。ゼネコンの清水建設<1803>は8円高で連日の年初来高値更新。ユニチャーム<8113>は90円高。アシックス<7936>は55円高で年初来高値更新。サッカーのブラジルW杯関連銘柄として注目される。

 「ハローキティ」40周年のサンリオ<8136>は、ゴールドマンサックスが目標株価を引き下げると一時ストップ安の512円安で年初来安値を更新し値下がり率1位と全面高の中で独歩安。売買高12位、売買代金2位。投資判断引き下げの理由はアメリカ市場での成長鈍化と、ライセンスビジネスから在庫リスクがある物販ビジネスへのシフトに伴うコスト懸念。ミクシィ<2121>は乱高下を繰り返し終値は20円安で連騰は10日でストップ。スクエニHD<9684>は30円安で値下がり率17位。料理サイトのクックパッド<2193>は4月期決算が営業利益3割増で過去最高益更新という業績観測記事が出て192円高で値上がり率2位。サイバーダイン<7779>が1対5の株式分割を発表すると一時ストップ高になり440円高で終えた。

 山口県下関市の不動産販売会社、東武住販<3297>がジャスダック、福証Qボードに新規上場。東武鉄道<9001>とは無関係。公開価格1250円に対し9時19分に1400円の初値がついた。ジャスダック終値は1275円だったがQボードは出来ずで終わった。

 この日の主役は地方電力。前日、福井地裁での関西電力<9503>大飯原発3、4号機の再稼働差し止め訴訟判決で関西電力が敗訴しショックがひろがった。関西電力は控訴。業種別騰落率で電力・ガスは鉱業ととともにマイナスだった。値下がり率ランキングでは4位に31円安の北海道電力<9509>、5位に38円安の関西電力、19位に25円安の四国電力<9507>、20位に21円安の九州電力<9508>と、関西電力と同じ加圧水型(PWR)原発を抱える電力会社が並んだ。沸騰水型(BWR)の中国電力<9504>も26円安で値下がり率18位。原発関連企業にも逆風で、売買代金5位の東芝<6502>は終値は値動きなしだったが連日の年初来安値更新。日本製鋼所<5631>は3円安だった。

 東京電力<9501>も柏崎刈羽原発の再稼働問題を抱え2円安だったが10月から全国で電力小売事業を展開と報じられた。全国の電力需要の約3割を占める首都圏は地方電力にはおいしい市場で、中部電力<9502>と関西電力はすでに首都圏の電力小売への進出を明らかにした。東京電力は逆方向で地方電力管内に進出する。大口だけでなく2016年の電力小売完全自由化で家庭用も自由化が進めば、電力10社の「地域独占」の源泉のエリア分けは意味をなさなくなり、地方銀行のような業界再編の話が出るかもしれない。(編集担当:寺尾淳)