海外の経済指標は、23日の中国のPMIがやはり気になるところ。23、24日のアメリカ住宅関連指標も要チェックだろう。23日は中国の6月のHSBC製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、フランス、ドイツ、ユーロ圏の6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、アメリカの5月のシカゴ連銀全米活動指数、6月のマークイット製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値、5月の中古住宅販売件数、24日はドイツの6月のIFO景況感指数、アメリカの4月のFHFA住宅価格指数、4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、5月の新築住宅販売件数、6月のCB消費者信頼感指数、リッチモンド連銀製造業指数、25日はフランスの6月の製造業信頼感指数、アメリカの5月の耐久財受注、1~3月期国内総生産(GDP)改定値、26日はフランスの6月の消費者信頼感指数、アメリカの5月の個人所得、消費支出、27日は中国の5月の工業利益、フランス、英国の1~3月期国内総生産(GDP)確報値、ユーロ圏の6月の消費者信頼感指数、ドイツの6月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの6月のミシガン大学消費者信頼感指数改定値が、それぞれ発表される。
26日にイングランド銀行のカーニー総裁がロンドンで講演する。26~27日はEU首脳会議が開かれる。会場は26日は第一次世界大戦で毒ガスが使用され多くの戦死者が出たベルギーのイープル、27日はブリュッセル。28日は第一次世界大戦開戦の引き金を引いた「サラエボ事件」から100周年だが、地球上ではいまだ戦火やまず。28日からイスラム圏が「ラマダン(断食月)」に入り、終わるのは7月28日の予定。ラマダンを前にイラクに平和への動きは出てくるか?
アメリカの主要企業の決算は、25日はモンサント、26日はナイキ、レナー、27日はKBホームが発表する予定になっている。
6月第1週、大方の予想を上回る上昇ぶりで15000円の大台に乗せた当時の日経平均は「孤高の鳥」だった。アメリカの株高という追い風、需給の改善という上昇気流を受けて大空を羽ばたきながら、飛んでいる周辺高度には移動平均線や日足一目均衡表の雲のようなサポートしてくれる味方がおらず、東京市場の売買は薄商いのまま全く盛り上がらなかった。エネルギーが切れていつ失速するかわからないような状態で、「トレンド転換」と呼ぶには、あまりにも弱々しかった。
それから2週間が経過した。「孤高の鳥」にとって13日のメジャーSQの前後は大きな試練だった。日経平均は12日に14862円、13日に14830円、16日には14867円まで下落し、その翼を篠突く雨に打たれ、乱気流にもみくちゃにされたこともあった。だが、試練をくぐり抜けてたくましくなった鳥は、6月の梅雨の晴れ間の青空をより高く飛びはじめた。前週の日経平均の高値は、18日は15100円台、19日は15300円台、20日は15400円台まで達している。
しかも、「孤高の鳥」だったその鳥は、だんだん「孤高」ではなくなりつつある。6月6日に14480~14598円の位置にあった日足一目均衡表の「雲」は、20日も14278~14598円でその上限は変わっていないが、75日移動平均線は14579円から14617円に、200日移動平均線は14687円から14760円に上昇し、25日移動平均線は14482円から14813円へ331円も上昇した。そのため、6月6日には+4.1%だった25日移動平均線乖離率は、20日には+3.6%まで圧縮された。13日のメジャーSQのSQ値は14807円だったので、現在、その付近の価格帯には25日移動平均線との二重の強力なサポートラインができていることになる。そして15000円のラインもまた、前々週も前週も心理的な節目として機能していた。
需給面は改善が進んでいる。19日に東証が発表した「投資部門別・株式売買状況」(二市場/6月9~13日)によると、その前の週が2515億円の大幅買い越しだった「海外投資家」が引き続き1412億円の買い越しで、「信託銀行」も892億円の買い越しをキープして7週間目。そして国内の「法人」が164億円の売り越しから1077億円の買い越しに転じ、「個人」の売越額が4380億円から1541億円に激減した。データから、個人投資家がいよいよ動き出しそうな気配が感じられる。