環境に優しい新しい車との付き合い方として、カーシェアリングが注目を浴びている。カーシェアリングすることでマイカーの数を減らすことにつながり、結果的にCO2を削減することができるというわけだ。そのほか、交通渋滞の緩和にも効果を発揮するとされている。こうしてカーシェアリングに熱い視線が注がれているなか、トヨタ自動車<7203>が12日、10月1日からフランスのグルノーブル市で超小型電気自動車(EV)を使ったカーシェアリングの社会実験を始めるとの発表を行った。
実験はグルノーブル市やフランス電力公社、そしてカーシェアリング事業を運営するシテ・リブ社などと共同で3年間行われる予定。交通渋滞や大気汚染などの解消を目的とした実験で、こうした実験はすでに日本国内では豊田市で行われているが、海外で実施されるのはこれが初めてのこととなる。
トヨタ自動車はこの実験に際して、2人乗りのEV車「i-ROAD(アイロード)」と1人乗りのEV車「コムス」をそれぞれ35台、計70台をグルノーブル市内にある27ヶ所の充電器付き駐車場に提供し、有料で貸し出す。また貸し出したEV車はどの駐車場に返却してもいいようにし、利用者の利便性をはかる。
初乗りの料金は15分までは3ユーロ(約420円)で、さらに15分経過すると2ユーロ追加となるなど、時間ごとに料金が加算される仕組みをとっている。さらには公共交通機関とも連携をはかっており、定期券を持っている利用者は割引料金でカーシェアリングを利用することができる。またスマートフォン(多機能携帯電話)を使えば、カーシェアリングのEV車や鉄道、乗用車などの組み合わせから目的地までの最短ルートを検索することのできるサービスも行う。
トヨタ自動車は今回の実験で得た利用実績や走行データなどを集積し、今後の展開に活かしていきたいとしている。
このような取り組みにより、CO2が削減され交通渋滞がなくなるのであれば大歓迎だ。今後は日本でも、こうしたカーシェアリングといった環境に優しい車との付き合い方が普及することを願うばかりである。(編集担当:滝川幸平)