豊田通商、アルゼンチンでリチウム本格生産を開始

2014年12月08日 09:24

 豊田通商<8015>が出資するアルゼンチンのリチウム開発事業会社Sales de Jujuy S.A. (サレス・デ・フフイ)は4日、アルゼンチン北西部フフイ州オラロス塩湖にてリチウムの本格生産を開始したと発表した。それに伴い3日、リチウム工場の開所式を同社敷地内で行った。今後、サレス・デ・フフイは、炭酸リチウム換算で年間1万7,500tの生産を目指す。

 豊田通商は、オーストラリアの資源開発会社Orocobre Limited (オロコブレ)と、2010年1月より、オラロス湖でのリチウム資源開発事業化調査を実施した。2012年12月にアルゼンチン・フフイ州より開発許認可を受け、採掘権を取得し、サレス・デ・フフイへ25%出資をしている。2013年8月にオラロス塩湖からかん水を汲み上げてリチウムを精製する工場を建設し、実証を行っていたが、今回本格生産を開始した。

 この事業は、同国における日本企業初のリチウム開発事業であるという。開所式には、アルゼンチン・フフイ州・フェルナー知事をはじめ、駐アルゼンチン・三輪能弘参事官、現地政府関係者のほか、日本からも独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源の安達直隆理事、豊田通商の荒木良文常務執行役員、近藤秀樹執行役員、豊田通商アルゼンチン田中一臣社長らが出席した。

 豊田通商は、当該精製工場の生産物である炭酸リチウムの100%販売代理権を取得しており、今後、需要増加が予想される炭酸リチウムを日本を含む全世界へ販売し、リチウムの上流から下流までのサプライチェーン構築を目指す方針だ。なお、日本への初出荷は2015年1月頃を予定している。(編集担当:慶尾六郎)