米国の調査会社ガートナーは、2014年の世界半導体市場の売り上げが、前年比7.9%増の3,398億ドルになるとの見通しを発表した。これによると、上位25社の合計は同11.7%増と、市場全体よりも大きな成長率となった。これにより上位25社の市場全体に占める割合は、2013年の69.7%から2014年は72.1%となった。
海外勢では、Intelは2年連続のマイナス成長から転じて前年比4.6%増となり、23年連続で首位の座を確保した。2014年に4000万個のタブレット向けプロセッサを出荷することを目標に掲げ、それを達成する見込みである。しかし、大幅な値下げとインセンティブの付加を余儀なくされた。PC向けではAMDから引き続きシェアを奪い、出荷数量を伸ばしたとみている。
SK HynixやMicron Technologyなどのメモリ・ベンダーは売り上げを伸ばし、ランキングを上げている。SK Hynixは2年連続で高成長となり、同社の売り上げの80%がDRAMとなった。Micron Technologyは前年比41.0%増となり、順位を1つ上げた。2013年にエルピーダメモリを買収したことが、上位25社の中で最も高い成長を遂げた企業の1つとなった要因だという。
日本企業では、東芝が前年比2.8%増の6位となった。日本企業の売上高は、2013年から2014年にかけての6.6%の円安の影響で、ドル・ベースに換算した場合はマイナスに振れることになる。東芝は、NANDフラッシュの売り上げではスマートフォン向けが好調に推移したものの、価格が下落したためほぼ横ばいで推移した。一方、システムLSIやディスクリートでは、車載、産業向けやモノのインターネット (IoT) 向け製品を強化している。
ルネサス エレクトロニクスは、前年比9.1%のマイナス成長となり、2013年と同じ10位となった。前年に引き続き産業機器向けおよび自動車機器向けの売り上げは伸びた。しかし、LCDドライバ事業を売却するなど非中核事業からの撤退をさらに進めた結果、通信機器向けやデータ・プロセシング機器向け、そして民生機器向けでは売り上げを落とした。(編集担当:慶尾六郎)