トヨタと豊田市、“つながるクルマ”を活用した道路保守点検の実証実験

2018年07月20日 06:30

Toyota Connect_Car

トヨタと豊田市が協働で進める車両データを活用した道路保守点検に関する実証実験の概要図

 トヨタ自動車は、先般発売した新型クラウンや新型カローラ・スポーツなどの最新コネクティッドカー(つながるクルマ)から取得されるビッグデータを活用し、道路の保守点検に生かす技術についての実証実験を、全国で初めて豊田市と2018年8月1日から開始する。

 トヨタはこれまで、車両に搭載しているテレマティクス機器を通じて収集したデータを統計処理したうえで、災害発生時の安全な走行のために「通れた道マップ」として情報を提供してきた。今回の実験では、「通れた道マップ」をさらに充実させ、行政のインフラ・メンテナンスにまで活用する。

 今回の実証実験では、車両の挙動情報を分析する技術を応用することによって、路面の劣化状態を数値化することが可能となり、実用化に向けて開発を進める。

 一般的に、道路は日常のパトロールや定期的な調査により、維持管理されている。道路の状態を把握することは、生活の利便性を保つだけではなく、事故の未然防止や地震等災害発生時の避難ルート確保などの安心・安全を提供することにつながる。

 豊田市と協働する実証実験では、車両の挙動情報より算出した道路劣化の指標値と実際の路面状態との整合性を、より広域な一般道で検証。さらに、豊田市の道路保守点検業務をより高精度かつ合理的に実施できるような行政サービスの支援に向けて、技術の改善を目指すという。

 豊田市は、定期点検や日々の道路パトロールにより取得した路面情報を提供するとともに、本技術の道路保守点検業務への適用の可能性について、検討を行なう。

 トヨタは、コネクティッドカーにより取得した車両データ(交通情報プローブや車両挙動データ)を「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」上で抽出・ビッグデータ分析を実施し、道路劣化情報として提供するとともに実態との相関を分析する。コネクティッドカーを活用した、街や道路に関するさまざまな事象の検出技術の向上を図り、自治体の行政サービスをサポートできるよう、開発を進めていく。(編集担当:吉田恒)