今回のニュースのポイント
帝国データバンクが21日発表した調査によると、企業の女性管理職の平均割合は11.3%となり、過去最高を更新しました。しかし、女性管理職が「0%(全員男性)」の企業は42.1%と依然として4割を超えています。さらに今後女性管理職が「増加する」と見込む企業は、従業員1,000人超で72.5%に達する一方、5人以下では15.3%にとどまるなど、従業員規模や上場・非上場による見通しの差が鮮明です。性別を問わない評価制度の導入が進む一方で、「キャリア開発・育成の充実」は7.1%にとどまるなど具体的な育成施策の実施率は低く、平均値の改善とは裏腹に企業間の登用格差が浮き彫りとなっています。
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帝国データバンクは21日、「女性登用に対する企業の意識調査(2026年)」の結果を発表しました。全国1万518社から回答を得た同調査によると、自社の管理職(課長相当職以上)に占める女性の平均割合は11.3%となり、前年の11.1%から0.2ポイント上昇して調査開始以来の過去最高を更新しました。女性登用の取り組みは緩やかながら前進を続けている形です。しかし、この平均値の上昇だけで企業全体の女性活躍が広く浸透していると判断することはできません。数字の背景をみると、女性登用の状況には企業間で大きな差が残っていることが分かります。
それを象徴するのが、女性管理職が一人もいない企業の存在感の大きさです。自社の女性管理職割合を尋ねたところ、「0%(全員男性)」と回答した企業が42.1%と最も高い割合を占めました。前年の42.3%からわずか0.2ポイントの低下にとどまり、依然として全体の10社中4社以上で女性管理職が不在という状況が続いています。平均値が過去最高を更新する一方で、裾野の広がりという点では足踏みが続いています。また、経営層である女性役員の平均割合も14.2%と過去最高を更新したものの、女性役員が「0%」の企業は51.5%と過半数を占めており、管理職・役員ともに「平均値の改善」と「全員男性企業の多さ」が同居する構造となっています。
さらに、今後の女性登用に対する見通しでは、企業間の「登用格差」がより鮮明にあらわれています。今後自社の女性管理職が「増加する」と見込む企業は全体で29.6%ですが、従業員数別にみると大きな開きが生じています。従業員数「1,000人超」の企業では72.5%が増加を見込むのに対し、「5人以下」の企業では15.3%にとどまり、その差は57.2ポイントに達します。上場・非上場別の比較でも、上場企業の62.9%が増加を見込むのに対し、非上場企業は29.0%と倍以上の開きがあります。規模の大きい企業や上場企業ほど今後の登用拡大を見込む傾向が鮮明で、小規模企業や非上場企業との見通しの差が大きくなっています。
女性登用をさらに広げる上では、管理職から役員へのステップアップや、社内の育成体制にも課題がみられます。将来的に女性管理職が増加すると見込む企業が29.6%あるのに対し、女性役員が増加すると見込む企業は10.8%にとどまり、「変わらない」とする企業が57.3%と半数を超えています。女性管理職の増加を見込む企業に比べ、経営意思決定層である女性役員の増加を見込む企業は少なく、役員への登用にはなお差がみられます。また、女性活躍推進のために行っている施策を尋ねたところ、「性別に関わらず成果で評価」が64.2%、「性別に関わらず配置・配属」が53.8%と、公正な人事運用を掲げる企業が上位を占めました。
一方で、キャリア形成や管理職登用を具体的に後押しする施策は低い水準にとどまっています。「キャリア開発・育成の充実」に取り組む企業は7.1%にとどまり、「女性管理職の数値目標を設定」は3.5%、「キャリアに関するモデルケースを提示」はわずか2.6%でした。多くの企業で性別を問わない評価や配置といった環境整備が進む一方で、キャリア開発・育成を充実させたり、将来のキャリア像を具体的に示したりする取り組みは限定的です。公平な人事制度を整えるだけでなく、昇進・昇格の候補となる人材層を中長期的に形成していくことも課題となっています。
今回の調査結果は、女性管理職11.3%、女性役員14.2%という過去最高の数字を記録した一方で、全体の4割を超える企業で女性管理職がゼロであり、従業員規模や上場有無による将来見通しの格差が大きいことを明らかにしました。女性登用の平均割合が過去最高を更新する一方、その動きがすべての企業に広がっているわけではありません。制度上の公平な評価に加え、管理職候補となる人材の育成やキャリア形成を中長期的にどう支え、企業間の差を縮めていくかが今後の課題となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













