今回のニュースのポイント
市場調査会社のインテージが全国15~79歳の男女5,000人を対象に実施した調査によると、家庭で防災対策を行っている人は52.8%にとどまりました。一方、単身世帯の実施率は40.2%と3年前の32.0%から8.2ポイント上昇しています。対策をしていない人では42.2%が「必要性は感じるが後回し」と回答しており、防災意識を実際の備えにつなげられるかが課題として浮かびました。
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市場調査会社のインテージは、全国の15歳から79歳の男女5,000人を対象に実施した「防災意識」に関する調査結果を公表しました。家庭で何らかの防災対策を行っている人の割合は52.8%となり、3年前の調査(47.8%)から5.0ポイント上昇したものの、依然としてほぼ半数が未対策のままとなっています。なお、本調査は7月22日から27日にかけて実施されたものであり、7月28日に発生した令和8年熊本地震より前のデータです。
世帯形態別で見ると、これまで実施率が低かった単身世帯で改善の傾向がみられました。単身世帯の防災対策実施率は40.2%となり、3年前の32.0%から8.2ポイント上昇しました。特に20代の単身世帯では約1.8倍に増加するなど若い世代での広がりが確認できます。もっとも、単身世帯全体では約6割が未対策であり、全体の平均(52.8%)と比較すると依然として低い水準にとどまっています。
過去1年間に防災対策のために支出した費用は、1人当たり平均で2,877円となり前年と同水準でした。一方、今後1年間にかけたいとする支出意向額は5,271円となり、2年連続で減少しました。地震や猛暑など防災への関心が高まる出来事が続くなかでも、防災への支出意向が大きく強まっているわけではない状況がうかがえます。
具体的な対策内容では、飲料水の備蓄(34.0%)やレトルト・インスタント食品の備蓄(28.2%)が上位を占めました。食品や用品の備蓄全体の実施率が前年比で横ばいまたは微減となるなか、こまめな水分補給による猛暑対策(26.4%)といった項目は微増しました。同社では、意識がいつ起こるか分からない災害だけでなく、毎年発生する酷暑などの身近なリスクにも向けられている可能性を指摘しています。
一方、実際の被災経験は行動に大きく影響しています。地震の被災経験者においては、調査対象となった48の防災対策項目のすべてで実施率が全体平均を上回りました。特に飲料水の備蓄は4割を超えたほか、乾電池やモバイルバッテリー、充電器といった停電対策の実施率は全体の約1.3倍に達するなど、実体験が具体的な備えにつながっています。
今回の調査で浮き彫りとなった最大の課題は、未対策の理由における「意識と行動の乖離」です。防災対策をしていない人に理由を尋ねたところ、「必要性は感じるが後回しにしてしまう」が42.2%で最多となり、「何から始めればよいかわからない」(28.8%)や「お金がかかる」(22.9%)を上回りました。資金面や知識の不足だけでなく、必要性を認識しながらも具体的な行動に移せていない状況が、防災対策を広げるうえでの課題として浮かびました。
今回の調査では、防災対策の実施率が3年前より改善し、これまで低水準だった単身世帯でも取り組みの広がりがみられました。一方、全体では依然として半数近くが未対策のままであり、「必要だと思いながら後回し」にしている層も少なくありません。被災経験者ほど幅広い備えを行っているという結果からも、危機感を身近な課題として捉え、知っている状態から実際の行動へと移せるかが今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













