今回のニュースのポイント
帝国データバンクが25日に発表した「東京都の猛暑が家計支出に与える影響調査」によると、2026年7~8月の平年を上回る暑さによって、東京都の家計消費支出は211億5,100万円押し上げられると試算されました。1世帯当たりでは月平均1,569円の増加です。一方、2025年の押し上げ額772億2,300万円と比べると約561億円縮小。今年も平年より暑いものの、記録的猛暑だった前年ほど気温が上がらなかったことが家計支出にも表れています。
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帝国データバンクは25日、「東京都の猛暑が家計支出に与える影響調査(2026年)」を発表しました。同調査の試算によると、2026年7月および8月の東京都における平均最高気温が平年値と同等だった場合と比較して、平年を上回る暑さによって都内の家計消費支出(都内居住世帯対象)は211億5,100万円押し上げられる見込みとなりました。1世帯当たりの支出増額は7月が1,407円、8月が1,731円で、今夏の月平均では1,569円の増加と算定されています。なお、本試算は総務省の「家計調査」等の統計データを基に、継続的な物価上昇などの影響を取り除いた上で、気温変動に伴う支出額の変化を推計したものです。
今回の試算結果において注目されるのは、前年との比較における押し上げ効果の縮小です。記録的な猛暑となった2025年夏の押し上げ額(772億2,300万円)と比較すると、2026年夏は560億7,200万円の縮小となりました。東京の平均最高気温は7月が31.8度(平年比1.9度高)、8月が32.0度見込み(同0.7度高、2週間気温予報等含む)と平年を上回って推移したものの、前年との比較では7月で1.4度、8月で2.4度低く推移しました。今年も平年以上の暑さとなったものの、前年ほどの記録的な高温に至らなかったことが、消費押し上げ額の縮小にも表れています。
押し上げ効果が最も大きく表れた項目は「食料」で、全体で84億8,100万円の増加となりました。内訳を見ると、喫茶代などの「外食」が30億9,100万円、茶飲料や炭酸飲料、ビール・発泡酒、スポーツドリンクなどの「飲料」が28億8,400万円、アイスクリーム・シャーベット等の「菓子類」が21億5,600万円、家庭で火を使わずに済む弁当などの「調理食品」が17億1,500万円の押し上げ要因となっています。
食料以外の分野でも猛暑に伴う幅広い支出動向が見られます。宿泊料(30億4,200万円増)やパック旅行費(5億8,800万円増)がプラス要因となった「教養娯楽」が全体で45億3,600万円増となったほか、エアコンなど冷房器具への支出が増えた「家具・家事用品」が42億6,500万円増、設備修繕費等の「住居」が21億7,700万円増、熱中症対策に関連する医療サービス等の「保健医療」が19億9,700万円増となりました。
一方で、猛暑は単に支出を増やすだけでなく、家計の支出先を変化させる側面も示しています。「光熱・水道」はガス代の減少(火を使う調理の縮小等)などを背景に38億5,900万円のマイナス、「被服及び履物」も外出控え等の影響で15億7,000万円のマイナスとなりました。食料品の中でも、生鮮魚介などの「魚介類」(22億3,500万円減)や「野菜・海藻」(2億300万円減)で支出が減少しており、猛暑による供給面への影響や価格高騰に伴い、購入数量が抑制された可能性が指摘されています。
こうした猛暑の影響は企業活動にもさまざまな形で表れています。都内企業からは、暑熱対策商品の需要増加や集客力向上といった好影響の声がある一方で、猛暑に伴う観光客の減少(旅館)や酷暑による来店客数の落ち込み(食品製造)、人手不足と酷暑の重複による工事延期・案件遅延(鉄鋼卸売)など、マイナスの影響を指摘する声もみられます。
今後の見通しについて、気象庁の1カ月予報では9月にかけても高温傾向が続くと見込まれています。一方で帝国データバンクは、夏場に猛暑の影響で増加した支出については、年間を通じて家計内で一定の支出調整が行われる可能性にも言及しています。猛暑は一部の消費を押し上げる一方、購入数量の抑制や外出機会の減少などを通じて支出を減らす効果も併せ持ちます。高温傾向が続くなか、暑さに伴う購買行動の変化が企業の売り上げにどのような影響を与えるか、引き続き注視が必要です。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













