今回のニュースのポイント
2027年度(令和9年度)予算の概算要求が8月31日に締め切られます。片山さつき財務相は25日の閣議後記者会見で、要求総額の精査と公表は9月の海外出張からの帰国後に行うとしつつ、予算編成において「成長への寄与」と「民間投資の誘発効果」を精査する方針を示しました。「強く豊かな日本」投資枠では要求上限を設けない一方、査定を通じた政策効果の厳選と歳出改革努力の継続により、強い経済の構築と財政の持続可能性の両立を目指します。
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2027年度(令和9年度)予算編成に向けた動きが本格化しています。各省庁からの概算要求提出が8月31日に締め切りを迎えるなか、片山さつき財務相は25日の閣議後記者会見で、要求総額の数字については集計・精査を経て9月に公表するとし、現段階での具体的な試算や金額への言及を避けました。
今回の予算編成において注目されるのは、表面上の要求総額だけでなく、概算要求の構造変化と予算編成で重視される「基準」の変化です。
政府が7月30日に決定した概算要求の基本方針では、危機管理投資や成長投資を対象とする「強く豊かな日本」投資枠が設定されました。この投資枠については事前の要求金額に一律の上限(シーリング)を設けず、具体的な金額を示さない事項要求も含めて要求を受け入れる仕組みが採用されています。
これは要求段階の上限を緩める一方、予算編成過程では政策効果を精査する仕組みとみることができます。片山財務相は25日の会見で、予算編成プロセスにおいて「成長への寄与」と「民間投資の誘発効果」の2点を重視し、これらを精査して日本の成長力強化につなげる考えを示しました。片山財務相は7月下旬の記者会見でも、優先順位の基準として成長性や民間投資の誘発を挙げ、場合によっては従来以上に厳しい査定を行う可能性に触れています。要求段階での選択肢を広げる一方で、最終的な予算化の段階で政策効果を問う構えです。
さらに、今回の予算編成には「補正予算依存からの脱却」という構造変化も含まれています。政府はこれまで恒常的に必要となる政策について、補正予算への依存を見直し、当初予算に計上する方向を示しています。このため、2027年度の当初予算額が前年度と比べて大きく見える場合でも、それが従来、補正予算で対応していた施策を当初予算に計上した影響なのか、歳出そのものの増加によるものなのかを見極める必要があります。片山財務相も過小・過大な誤解を防ぐ観点から、単年の当初予算額だけでなく年間を通じた財政支出の全体像で比較・評価する重要性を指摘しています。
こうした成長投資の強化や当初予算への集約が進む一方で、課題となるのが財政規律の確保です。会見で市場の懸念への対応を問われた片山財務相は、「骨太の方針2026」に基づき歳出改革努力を徹底的に継続すると説明。伸ばすべき歳出と見直すべき歳出を明確に分けた上で、租税特別措置や補助金の点検・見直しを進め、優先順位の洗い直しと重点化を行う方針を明言しました。その上で、強い経済の構築と財政の持続可能性を両立させる方針を市場関係者へ丁寧に説明し、信認を維持していく考えを示しました。
8月末の概算要求時点では、上限を設けない投資枠や当初予算への施策集約によって、提出される要求額全体が膨らむ可能性があります。そのため、今回の編成プロセスにおいては要求総額だけでなく、そこから何が実際に予算化されるかという年末に向けた査定にも注目する必要があります。
概算要求の提出を皮切りに、財務省が各省庁の要求内容に対し「成長への寄与」や「民間投資の誘発効果」をどのように評価し、年末の予算編成に向けてどこまで絞り込んでいくのか、今後の編成作業が焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













