7月貿易、輸出入とも過去最高も6345億円赤字 対米黒字は50.7%減

2026年08月20日 10:43

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日本と米国の国旗。7月の貿易統計では輸出入とも過去最高となる一方、対米貿易黒字は前年同月比50.7%減少した(資料画像)

今回のニュースのポイント

財務省が20日発表した7月の貿易統計速報によると、輸出額は前年同月比23.2%増の11兆5118億円、輸入額は27.8%増の12兆1463億円となり、いずれも1979年以降の過去最高を更新しました。輸入の伸びが輸出を上回り、貿易収支は6345億円の赤字と3カ月連続の赤字となりました。米国向け輸出も22.0%増の2兆909億円と過去最高となりましたが、米国からの輸入が58.0%増の1兆8105億円に膨らみ、対米貿易黒字は50.7%減の2804億円まで縮小しました。

■ 輸出入とも過去最高、それでも6345億円の赤字

 財務省が8月20日に発表した2026年7月分の貿易統計速報によると、日本の貿易額は輸出・輸入ともに比較可能な1979年1月以降で過去最高を更新しました。

 輸出額は前年同月比23.2%増の11兆5118億円となり、11カ月連続で前年実績を上回りました。主要な押し上げ品目としては、自動車(同19.5%増)や半導体等電子部品(同49.1%増)、半導体等製造装置(同40.9%増)などが挙げられます。

 一方の輸入額も前年同月比27.8%増の12兆1463億円となり、6カ月連続の増加を記録しました。原粗油(同87.8%増)や半導体等電子部品(同79.7%増)、非鉄金属(同67.7%増)などの輸入額が大きく膨らんでいます。

 輸出入ともに過去最高規模へ拡大したものの、輸入の伸び率が輸出を上回った結果、貿易収支は6345億円の赤字となりました。赤字は3カ月連続で、前年同月の赤字額(1563億円)から大幅に膨らんでいます。

 なお、7月の税関長公示レートの平均値は1ドル=161.83円で、前年同月(145.56円)比で11.2%の円安水準でした。こうした為替環境のなか、数量ベースを示す指数をみても、輸出数量は前年同月比5.2%増、輸入数量は同1.2%増となりました。金額だけでなく、輸出数量そのものも前年を上回っています。

■ 対米輸出22%増でも黒字は50.7%減

 今回の貿易統計で目立つのが、最大の貿易相手国の一つである米国との取引です。

 7月の米国向け輸出額は前年同月比22.0%増の2兆909億円となり、5カ月連続の増加で過去最高を更新しました。品目別では、自動車(同32.1%増)や医薬品(同254.1%増)、原動機(同20.9%増)などが力強く伸びています。つまり、対米貿易黒字の縮小は「日本製品が米国で売れなくなったから」ではありません。

 黒字圧縮の主因となったのは、それを大幅に上回るペースで増加した米国からの輸入です。米国からの輸入額は前年同月比58.0%増の1兆8105億円となり、12カ月連続の増加で過去最高を記録しました。

 中でも突出しているのが原油(原粗油)の輸入額で、前年同月比1489.2%増(約15.9倍)という急増をみせています。これは米国からの原油輸入「額」の前年同月比であり、原油価格そのものが約15.9倍になったことを意味するものではありません。このほか、液化天然ガス(LNG、同54.5%増)や原動機(同38.9%増)などの輸入も大幅に増えました。

 この結果、対米貿易黒字は前年同月の5684億円から50.7%減の2804億円へと大きく圧縮されました。対米貿易黒字は8カ月連続の減少となっており、今年3月の7237億円から、4月(6877億円)、5月(3532億円)、6月(3393億円)、7月(2804億円)と春以降、縮小傾向が鮮明になっています。対米輸出そのものは最高水準へ拡大したものの、原油などを中心とする米国からの輸入急増が、黒字額を押し下げる格好となりました。

■ 中国は7754億円赤字、アジアの黒字も半減

 米国以外の主要地域に目を向けると、日本全体の貿易赤字をもたらした構造がより鮮明になります。

 中国向け取引は、輸出が前年同月比25.8%増の2兆90億円、輸入が同26.2%増の2兆7844億円となり、ともに2割を超える大幅増となりました。しかし、輸入額が輸出額を大きく上回る状態が続いており、対中貿易収支は7754億円の赤字(64カ月連続の赤字)となっています。

 アジア全体では、輸出が同24.5%増の6兆3173億円、輸入が同32.1%増の6兆794億円となり、2379億円の黒字を維持しました。しかし、中国をはじめとする地域からの輸入急増に押され、黒字額は前年同月比で49.6%減少しています。

 また、EU(欧州連合)に対しては、輸出が同19.1%増の1兆326億円、輸入が同2.3%減の1兆1196億円となり、870億円の赤字を計上しました。

 各地域の貿易動向をみると、米国では黒字額が前年同月から50.7%減少し、アジア全体でも黒字額が49.6%減少しました。一方、中国に対しては7754億円、EUに対しては870億円の赤字となっています。外需の柱である自動車や半導体関連の輸出が伸びる一方、輸入の増加が日本全体の貿易収支を押し下げる構図となりました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)