スマートハウスが徐々に普及を始め、太陽光発電システムや蓄電池などが住宅に搭載されることも近時では珍しくない。電気は使うだけのものではなく、自ら作り出すことも重要であるという認識が広がり、住宅とエネルギー設備の関係がより密接になってきたということであろう。
こうした流れを受け、石油製品を始めとするエネルギーの安定供給を担うJX日鉱日石エネルギー(JXエネルギー)と、家1棟分のあらゆる住宅設備・建材をラインアップする総合住生活企業であるLIXIL<5938>が、家庭部門におけるエネルギー事業と住宅設備・建材事業に関する業務提携の検討を開始すると発表。それぞれの強みを活かした相互協力体制の構築を図るという。
具体的には、2013年度から、JXエネルギーグループが展開する、専門の研修を経て育成・認定したエネルギー診断士によるエネルギー診断サービス「Dr.おうちのエネルギー」に、LIXILの省エネ性の高い内窓「インプラス」などのリフォーム商品をあわせて提案できる仕組みづくりを検討。エネルギー診断は無料で行い、診断結果に基づいて、新エネルギー機器の導入から、家電製品や住宅性能の改善、省エネに関する行動面まで、幅広い提案行うことを目的とした「Dr.おうちのエネルギー」が、住宅性能の改善に関する具体的な提案をワンストップで行うことができるサービスとなり、幅広いニーズに迅速に対応できる体制を整えるという。その他の業務提携の内容の詳細は、今後、両社間で協議を進めるとのこと。
住宅のスマート化により、住宅メーカーと、エネルギー機器メーカーもしくは家電メーカーとの関係が密になっていたものの、エネルギー供給を担う企業との提携はほとんどみられなかったのではないだろうか。その点、今回の提携は目新しいものと言えるかもしれないが、発表されている提携に伴うサービス内容は決して目新しいものではない。今後の両社間の協議により、どういった唯一無二のサービスを展開できるかに期待が集まるところであろう。(編集担当:井畑学)