【日経平均】まとまった資金が注入されて416円の大幅高

2014年02月21日 20:29

 前日と正反対でメガバンクも証券大手も全てプラス。超小型電気自動車について、報道によると今年末からフランスで社会実験を始めるトヨタ<7203>は122円高。ヨーロッパ規格の認定取得の検討に入ったホンダ<7267>は47円高。前日にベンチャー企業が超小型EVをお披露目して競争心に火がついたか? 「PS4」日本発売前日のソニー<6758>は売買代金9位に入り25円高。国内でも売れてくれれば連結業績もひと息つく。日立<6501>は25円高、東芝<6502>は8円高だったが、NEC<6701>は3円高と伸びきれず。春闘のベアを見送ってもシャープ<6753>は7円高だった。

 NTTドコモ<9437>は、夢の街創造委員会<2484>と提携してスマホで食料品を宅配するサービスに参入すると報じられ25円高。夢の街創造委員会は100円高で昨年来高値更新。日経新聞に経済産業省が国内の製油所の統合を促すという記事が載り、石油元売り各社はJXHD<5020>が売買高12位に入り23円高、出光興産<5019>は79円高、昭和シェル石油<5002>は52円高、コスモ石油<5007>は7円高で、石油・石炭セクターは騰落率トップ。2位の電力・ガスセクターでは四国電力<9507>が98円高で値上がり率14位に入っていた。

 商社株では、伊藤忠商事<8001>はUBSがレーティングを引き下げたものの18円高。豊田通商<8015>はフランスの子会社の好業績が評価され159円高で値上がり率13位に入った。値上がり率1位は太陽光発電関連のサニックス<4651>が後場上昇し114円高。イオンフィナンシャルサービス<8570>は1200万株、発行済株式の5.87%の自社株買いを発表し195円高で値上がり率4位。住友大阪セメント<5232>も発行済株式の2.34%の1000万株の自社株消却を発表し5円高。山梨県で配送トラックが積み荷のパンを配って「大雪の英雄」と称えられた山崎製パン<2212>は流通事業の今期の営業損益が黒字転換の公算と報じられ40円高だった。

 「一太郎」「ATOK」のジャストシステム<4686>は2月27日にジャスダックから東証1部への市場変更が決まり、TOPIXへの組み入れで連動投信・ETFに買われる前の先回り買いで一時ストップ高の113円高。市場変更の先輩の楽天<4755>は3円安と逆行安。ゲーム関連ではKlab<3656>は10円安と逆行安して値下がり率10位だったが、クルーズ<2138>はレーシングバトルゲームの世界配信開始が好感され、新株予約権の第三者割当による希薄化懸念もオーバーテイクしたがストップ高のリミッターがかかり700円高。エイチーム<3662>は490円高で値上がり率7位。ガンホー<3765>は2400万ダウンロードを誇る「パズドラ」の春の新作をお披露目したが、後場はマイナスに沈み値動きなし。前日の発表は「パズドラ2周年記念超絶発表会」と題していたが、「パズドラ依存」から早く卒業しないと株価が下落して投資家が悶絶する。

 この日の主役は「増配」。3月の決算期末まであと1ヵ月少々で、配当・株主優待取り買いも当て込んで増配の発表が増えてくる。ミロク情報サービス<9928>は3月期の期末一括配当を前期の12円から15円に3円増配し、売買単元を500株から100株に引き下げると発表し26円高で値上がり率15位。終値415円に対する配当利回りは3.63%で、配当取りを誘う撒き餌としては十分。求人広告代理店のクイック<4318>は2月27日の東証2部への市場変更承認を祝し、2円の記念配当と、期末時点で100株以上保有する株主全員に500円のクオカード1枚を進呈する記念株主優待を発表し38円高。100株保有すると年間配当1100円+クオカード500円で、終値650円に対する配当利回りは2.46%。配当は20%(NISAは0%)課税だがクオカードは額面丸々もらえる。折しもいま確定申告シーズン。株主優待は雑所得として課税対象になり、換金性の高い金券は申告しないと後が怖いとネットなどで警告されているが、投資家が株主優待の申告漏れを指摘されたり、税務署がクオカードを没収しに来たという話は、寡聞にして知らない。(編集担当:寺尾淳)