三大都市圏では地価が上昇している。国土交通省が発表した2014年1月1日現在の全国の「地価公示」によると、全国平均では、住宅地、商業地ともに依然として下落をしているものの下落率は縮小傾向を継続している。しかし、東京、大阪、名古屋の三大都市圏平均では、住宅地、商業地ともに上昇に転換した。
上昇地点数の割合は全国的に大幅に増加した。特に三大都市圏では、住宅地の約1/2の地点が上昇、商業地の約2/3の地点が上昇。一方、地方圏では住宅地、商業地ともに約3/4の地点が下落した。13年7月1日時点の調査では、都道府県地価調査との共通地点で半年毎の地価動向をみると、三大都市圏の住宅地はほぼ同率の上昇、商業地は後半上昇を強める。また、地方圏の住宅地、商業地ともに後半は下落率が縮小した。
低金利や住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支えや景況感の改善による住宅需要拡大等もあって、都道府県全てで下落率縮小や上昇への転換等が継続して見られる。特に利便性、住環境等に優る住宅地では上昇基調が顕著となったとしている。
圏域別に見ると、東京圏は、上昇地点の割合が大幅に増加し、半数以上の地点が上昇となった。特に埼玉県、東京都、神奈川県は下落から上昇に転じた。なお、半年毎の地価動向をみると同率の上昇となった。
大阪圏は、上昇地点の割合が増加し、3割弱の地点が上昇となった。特に京都市、大阪市、北摂エリア及び阪神間を中心に上昇基調となっている。なお、半年毎の地価動向をみると後半上昇が強まったという。
名古屋圏は、上昇地点の割合が大幅に増加し、半数以上の地点が上昇となった。愛知県は昨年に引き続き上昇となり、特に名古屋市及びその周辺部である尾張地域、西三河地域の多くで上昇基調となっている。なお、半年毎の地価動向をみると同率の上昇となった。
地方圏は、約3/4の地点が下落しているが、宮城県、福島県、沖縄県で上昇した。商業地は低金利、景況感の改善を背景に都道府県全てで下落率縮小や上昇への転換等が継続して見られる。また、堅調な住宅需要を背景に商業地をマンション用地として利用する動きが全国的に見られ、上昇または下落率縮小となった要因の一つとなっているとした。(編集担当:慶尾六郎)