それを裏付けそうなのが日々の売買高、売買代金で、前週は18日まで売買高は16~18億株、売買代金は1兆6000~7000億円台のいつもの薄商い水準だったが、FOMCを通過した19、20日の売買高は27~29億株、売買代金は2兆4000~5000億円台と、13日のメジャーSQの水準も超えた。しかも先物がからまない実需の売買が増えている。一段階レベルアップした売買を、「FOMCを通過して買い安心感がひろがり、東京市場の商いに活気が戻ってきた」と解釈するのは、まだ早すぎるだろうか? こんなふうに現在の日経平均には味方が増えている。サポートする手が増えている。孤高だった鳥は、もう孤高を気取らなくてもよくなり、本格的な「トレンド転換」の条件は整いつつある。
とはいえ今週はまだ、ある関門が控えている。それは24日に予定されている「新・成長戦略」の閣議決定で、すでにその内容は相当程度、新聞等で報じられているが、法人減税の規模など閣僚間でまだ調整中のものもあり、いわゆる「岩盤規制」の撤廃に対し、その岩盤側が今、手段を選ばず必死で最後の抵抗を試みているかもしれない。もしフタを開けて、「抜け落ちている」「数字が違う」「骨抜きにされた」「おかしな条件がつけられた」というものがゾロゾロ出てきたら、昨年6月の成長戦略第1弾の時の二の舞で東京市場の株価は急落しかねない。だから今週、最も恐れなければならない国内のリスク要因は「『新・成長戦略』への失望売り」になる。重箱の隅をつつくようなあら探しをして、それを根拠に売ってやろうというイベントドリブン勢力も、いないとも限らない。
もっとも、日経平均はすでに15350円近くまで上昇しているので、それによる下落の底値は少なく見積もっても15000円の心理的な節目あたりで止まるだろう。なぜなら、下支えするサポートの手が増えているからだ。
ということで、今週の日経平均終値の変動レンジは15000~15500円とみる。もし「新・成長戦略」が報道済みの素案通りで失望を買わなかったとしても、すでに大部分が織り込み済みで、あまり上値は追えないだろう。(編集担当:寺尾淳)